だが、彼女は違っていた。「自分だけ」がそうなのではなく、自分に合った化粧品を見つけられずに悩む人が、他にもたくさんいるに違いないと考えたのである。もしかすると彼女たちは、そんな化粧品を探し出すことにきっぱりと見切りをつけてしまっているかもしれない、とも。
<どの化粧品会社も、バリバリに加工されてフィルターのかかった、実際になれるわけがないくらいに修正された女性の画像だけを使っているように見えた。「憧れ」の女性の広告画像は、共感できないだけでなく、リアルさも感じられなかった。私はそういった画像を見ると、自分は美しくない、自分は人並みじゃない、そんな気分にさせられた。
こんな考えにどっぷり浸かっているうちに、ふと気がついた。少女として成長していく間も、大人になった今でも、私は自分の体型に不安を抱え、つねにダイエットに追われて、「美しく」いることにフォーカスをあててきた。それなのに、自分をキレイだと思ったことは一度もなかった。私は、多くの時間をムダにしてきたのだ。(16ページより)>
こんな考えにどっぷり浸かっているうちに、ふと気がついた。少女として成長していく間も、大人になった今でも、私は自分の体型に不安を抱え、つねにダイエットに追われて、「美しく」いることにフォーカスをあててきた。それなのに、自分をキレイだと思ったことは一度もなかった。私は、多くの時間をムダにしてきたのだ。(16ページより)>
そんなリマ氏は、自分の人生がどれだけ失われたかを理解すればするほど、“どうしようもなく腹が立ってきた”のだという。そして、それを変えようという発想に至った。この部分こそ、彼女が成功をつかむに至る原点である。
ビジネス的な観点からいえば、まず注目すべきポイントがここにある。愚痴をこぼしたり、自己憐憫に浸ったりすることなら誰にでもできるが、大切なのはその先、すなわち「では、どうするか?」だということだ。
極論をいえば、そこに思い至れるかどうかがビジネスを成功させるために最初に越えるべきハードルなのだ。
発想の転換を形に
<私の直感はこう告げていた。女性たちは、自分とはかけ離れている、その商品による効果だとはとても思えない、加工されたモデルの画像を使った商品の宣伝を見ることにうんざりしているはずだ、と。
まさにその瞬間、私が創業するイットコスメティックスのアイデアが生まれた。私は、お肌にやさしく、あらゆる年代、肌タイプ、肌色に合うもので、カバー力がありながら、厚化粧に見えない化粧品を創り出そうというビジョンを思い描いた。(16〜17ページより)>
まさにその瞬間、私が創業するイットコスメティックスのアイデアが生まれた。私は、お肌にやさしく、あらゆる年代、肌タイプ、肌色に合うもので、カバー力がありながら、厚化粧に見えない化粧品を創り出そうというビジョンを思い描いた。(16〜17ページより)>
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