美容ブランドの常識をぶち壊した彼女の逆転人生 コンプレックスを抱えていたからこそ成しとげた

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<朝のニュース番組でキャスターを務めていた20代後半の頃、私は酒(しゅ)さと呼ばれる皮膚疾患を発症した。この遺伝性の疾患は、顔に赤みが出るのが大きな特徴だ。時にはブツブツができたり、荒れて紙やすりのようなザラザラした質感を伴ったり、リンゴほどの大きさに広がることもある。
頬が真っ赤になることがあるせいで、スーパーで行き会う見ず知らずの人から、「日焼けしたの」とか、「ご機嫌ね」と声をかけられたこともあった。私は人目を気にするようになった。皮膚科医からは、治療法は確立されておらず、発症した際の重症化を抑える方法がいくつかあるだけだと説明された。(14ページより)>

そうなった以上、リマ氏がファンデーションやコンシーラーに多くの時間とお金をつぎ込むことになったとしても、それはまったく不思議ではない。すぐ手に入るドラッグストアの商品はもちろんのこと、予算はかかってしまったものの、デパートで売られている高級ブランドもいくつか試したそうだ。仕事で交流のあったメイクアップアーティストにも助けを求めたが効果はなく、隠そうとすればするほど厚化粧になってしまったという。

ニュースキャスターとして生放送の番組に出演していたときには、プロデューサーから「顔になにかついてるよ。拭き取ってもらえるかな」と声がかかった。しかしそれは拭き取れるようなものではなく、つまりはテレビ局の強烈なHDライトの下でメイクが崩れ始め、隙間から真っ赤な「酒さ」が見えていたにすぎなかった。

<これはものすごく恥ずかしい出来事だったし、不安を感じたきっかけでもあった。頭の中に流れる自己不信の声が、他人には決して言わないようなことを私に告げてきた。
あなたはかわいくない、あなたのキャリアはダメになる、あなたを見たら視聴者はチャンネルを替える、視聴率が下がってクビになる。(15ページより)>

腹が立った。では、どうするか?

こうした容赦ない現実を見せつけられたとしたら、多くの人は自信を喪失し、さらにはネガティブな思考に縛られてしまうことになるかもしれない。どこの世界でも見かける、なにかにつけて「どうせ~だから」「なぜ自分だけが」と愚痴を言いたがる人のように。

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