BTSの「兵役問題」が2年間も揉め続けている理由 本人たちの意思不在なまま揺れる世論と政府

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BTS
4月にグラミー賞の授賞式に参加したBTS(写真:Amy Sussman/Getty ImagesGetty Images)

世界的な人気を誇る韓国のアイドルグループ「B T S」メンバーの徴兵をめぐり、韓国社会は迷い続けている。BTSの兵役をめぐる議論はかれこれ2年続いているにもかかわらず、いまだに結論が出ていない。今年末には最年長メンバーのジンの入隊期限が迫っているが、政府がなかなか態度をハッキリさせられないのはなぜなのか。

世界からも「兵役免除」を求める声あるが

「B T S兵役シナリオ」というものがある。

早ければ今年、30歳を迎えるジン(29歳)の入隊を皮切りに、徐々にメンバーが入隊していき、2028年頃にはメンバー最年少のジョングク(24歳)が入隊。ジンが兵役を終え、2024年頃復帰したとしても、すべてのメンバーが再び一緒に活動できるようになるのは、ジョングクが兵役を終える、2030年頃になるというシナリオだ。アイドルグループにとって8年間も一部メンバーを欠いたままで活動するといいうのは酷な話であり、移り変わりが激しいK-POP界ではファン離れも懸念される。

韓国国内のみならず世界各国から「B T Sが入隊せず、活動が続けられる環境を作ってほしい」という「B T S兵役特例」を求める声が上がるもの当然である。にもかかわらず、政府が特例に踏み切れない背景には、徴兵制が生み出す「不平等」と国民的な怒りに対する恐怖がある。

B T Sの兵役をめぐり最近、新たな動きがあった。

今月1日、韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防相はB T Sの兵役について国会の答弁で「公正性と公平性の原則に反しない範囲で解決できる方法」を提示。李国防相は「入隊後も海外公演があればいくらでもできる方法はあると判断している。国益の観点から(B T Sが)引き続き公演できる機会を与える方法はあると思う」という見解を示したのである。

しかし、この発言はB T Sメンバーの入隊を前提にしたことであり、今年末に迫っているジンの入隊は避けられないということを意味するのである。さらに、この発言は、B T Sのような「大衆芸能」分野で業績を残した人の徴兵を免除する兵役特例制度を新設することに国防省が否定的な立場であることを表明したとも受け止められる。

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