BTSの「兵役問題」が2年間も揉め続けている理由 本人たちの意思不在なまま揺れる世論と政府

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現在も、本人や息子に徴兵逃れの疑惑がもたされる政治家や官僚は多く、世論の激しい批判に耐えられず辞任する例が後を絶たない。徴兵を逃れる人々に対する認識はますます厳しくなっていく。

「兵役逃れ=非国民」というレッテル

1997年アメリカの永住権を持つ韓国系男性が国内で歌手デビューを果たした。数々のヒット曲を生み、彼のダンスに多くのファンが熱狂した。礼儀正しい振る舞いで、腰が低い彼には「美しい青年」というあだ名が付けられた。名前は劉承埈(ユ・ジュンジュン)である。

彼は「アメリカの永住権を放棄し、韓国人男性として国防の義務をまっとうする」と宣言し、兵役判定検査を受ける。その様子はテレビに流れた。しかし、その直後、彼はアメリカに戻り、アメリカの市民権を取得。市民権を取得することで「国防の義務」はなくなった。韓国人は彼の行動に怒りをあらわにした。徴兵逃れと受け止めたのである。

彼に対する国民的な怒りに政府も応えた。韓国政府は、劉承埈氏を「入国禁止」にした。その理由は「大韓民国の利益や公共の安全を害する行動をするおそれがあると認める相当な理由がある者」であった。韓国で徴兵を逃れた人は、大韓民国の利益や公共の安全を害するもの扱いされる。劉承埈氏は自身の入国を拒否している韓国政府を提訴し、2015年、最高裁で勝訴している。

しかし、韓国政府はその判決に従うことなく今も彼のビザ発行と入国を拒否し続けている。劉承埈氏は、この20年間韓国に入国できていない。韓国国民の約70%が「入国拒否は正しい」と答えている。劉承埈氏以外にも、「徴兵逃れ」の疑いが持たれる芸能人が何人かがいるが、彼の芸能界復帰は実現できてない。韓国国民が許していないのである。韓国人にとって「徴兵を逃れようとする行為」は許しがたい行為なのだ。

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