BTSの「兵役問題」が2年間も揉め続けている理由 本人たちの意思不在なまま揺れる世論と政府
B T Sの兵役をめぐる法改正は2段階に分け、議論が進められている。第1段階は「30歳まで入隊を延期する制度に大衆芸能分野を加える法改正だ。従来大衆芸能分野は特例の対象外だったが、2020年12月、既存のスポーツや芸術系の優秀人材に、大衆芸能分野の人材を追加する法改正が行われ、担当大臣の推薦を受けた人や国から勲章を受章した人も30歳まで入隊を延期することが可能になった。いわゆる「B T S入隊延期法案」が成立した。
この法改正により、2018年「文化勲章」を受章していたB T Sが対象となり、ジンは30歳になる今年まで入隊を延期することができたわけだ。
体育・芸術分野に大衆芸能を含めるか
第2段階は、大衆芸能分野を事実上徴兵免除とする「体育・芸術分野の代替服務制度」に含める法改正である。これは、オリンピック銅メダル以上、アジア大会金メダルを取った選手(体育分野)や、国が指定する42の国際コンクールで2位以上の成績を収めた人(芸術分野)は、4週間の軍事訓練さえ受ければ、自由に活動を続けることができる制度だ。
これについても、グラーミ賞受賞者とビルボードチャート1位の実績を加える改正案が提出されている。この条件に該当するのが現状、B T S以外おらず、事実上「B T S徴兵免除法案」として扱われている。
ところが昨年6月、同法案が国会に提出されると、「この法案は公正なのか」を問う声が急増。背景には、「体育・芸術分野における特例制度」が不平等な制度であるという批判が根強いことがある。実際、体育・芸術分野の特例制度で徴兵を免除された人は、2021年現在、125人に過ぎず、兵役特例制度は、選ばれた一部の人のための制度として多くの韓国人に認識されている。
B T Sの名前を具体的に挙げて行った調査では、約35%の人が「人気があるからと特例制度の対象にするのは公正ではない」と回答(公正と答えた人は約34%)。B T Sの徴兵免除が国民的な同意を得たとは言えない状況である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら