水泳を習うと子どもの「自己肯定感」が高まる理由 親の関わり方次第で子どもの成功体験に変化
反対に、親が努力している過程を見守らず、先生や子どもからの報告だけを聞き、その結果を褒めてしまうと、子どもは褒められたことを嬉しいと感じつつも、結果だけで判断されることにプレッシャーを感じることもあります。
子どもにプレッシャーを感じさせないためには、「今日はどんな泳ぎ方をしたの?」「どんな練習が楽しかった?」「どんなことを頑張れたかな?」など過程に関する質問をすることです。このような質問をすると、子どもは親からの承認を感じ、安心して返答してくれます。
指導者は「結果」ではなく「過程(目標を達成するための心掛け)」を褒めることが大切です。
たとえば、子どもがバタ足で12.5m泳げた際に「すごいね! よく泳いだね!」と言うのは、結果だけを褒めていることになります。子どもは12.5m泳げた結果のみを評価されたと思い、また褒められたいと距離を無理やり伸ばそうとしてしまいます。するとどうなるでしょうか? 泳ぎ方が崩れ、距離が伸びなくなり、かえって結果が出にくくなるのです。
では「過程」を褒めるとどうなるでしょうか? たとえば「体をピンと伸ばしてたのが良かったね! 体がずっとまっすぐになってたから、12.5m泳げたんだよ!」と褒めます。すると、子どもは距離を伸ばすという結果より、目標達成のために心掛けるポイントに意識を向けられるようになります。一つ一つの過程を大切にできるようになり、距離もタイムも伸びるという好循環に入っていきます。
25mを初めて泳げたとき、どう褒めますか?
チャレンジや過程を承認することが大切だとお伝えしてきましたが、クロールを初めて25m泳げたときは別です。初めてクロールで25m泳げたときは「人生で一番子どもを褒めている」と思うくらいの表現がちょうどいいです。事前にどのように褒めるのか、演出プランを考えておいてもいいかもしれません。
なぜそこまでする必要があるのか。
「初めて25mクロールで泳げた」という瞬間は、当たり前ですが、人生の中でたった一度きりだからです。
このタイミングで褒めずして、いつ褒めるのでしょうか。大人が全力で褒めることで、子どもにとって一生涯忘れられない成功体験になります。「頑張って練習して25m泳げるようになった」という経験は、のちのち受験勉強などで諦めそうになったときなど、子どもが壁に直面した際に心の支えとなるはずです。
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