水泳を習うと子どもの「自己肯定感」が高まる理由 親の関わり方次第で子どもの成功体験に変化
ある結果が成功体験になるか、失敗体験になるかは、周りの環境に大きく左右されます。
たとえば、クロール50mの目標タイムを40秒に設定し、試合に出場したとします。結果は、惜しくも41秒で目標タイムには届きませんでした。ここで親や指導者が「残念だったね」と声をかけると、それは失敗体験になり得ます。
しかし、親や指導者が「今までで一番キレイな泳ぎ方だったよ! このフォームで練習すれば、次はきっと40秒切れるよ」と声をかければ、失敗体験にはならないはずです。次回の大会で目標タイムを出すことができれば、それは成功体験になります。
大人でさえも他人からのたった一言で、失敗体験から成功体験に変わることがあります。多くの子どもも同様に、その結果が「成功か失敗か」を判断できるだけの価値基準を持てていません。
大人であれば、他のコミュニティや本、SNSなどで客観的な意見を取り入れることができますが、子どもは親や先生の評価から逃れることは困難です。親や先生から「それは失敗だ」と言われれば、それは失敗体験になるし、「それは成功だ」と言われれば、それは成功体験になるのです。子どもにとって「成功か失敗か」は、親の一言で決まります。
「結果」と「過程」どっちを褒める?
「子どもには自分を育てる力が備わっている」ことを前提とした教育であるモンテッソーリ教育では、「承認して褒める」を大切にしていますが、それを実践するためには、「過程」をしっかり見守る必要があります。
水泳を教えているとき、子どもは必ずと言っていいほど、親が自分の練習風景を見てくれているかを確認しています。親が見ていると子どもは笑顔になって手を振り、「よし頑張ろう!」という表情に変わります。集中力やパフォーマンスも向上し、上達も早まります。子どもたちは、親が練習を見てくれているだけで、承認されていると感じているようです。
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