水泳を習うと子どもの「自己肯定感」が高まる理由 親の関わり方次第で子どもの成功体験に変化

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水泳で目標をクリアすると成功体験を積むことができる(写真:YUMIK/PIXTA)
子どもの習い事として一番人気が高い「水泳」。体を丈夫にする目的で習わせる保護者が多い中、水泳教育者の菅原優氏によると、水泳は体の健康だけでなく心の健康である「自己肯定感」を高めるのに最適なスポーツだという。成功体験を積ませるための方法や、親のできるサポートなどについて聞いた。※本稿は菅原氏の著書『子どもに必要な能力はすべて水泳で身につく』より一部抜粋・編集してお届けします。

クロール25mを泳げるまで約200項目の目標

子どもの習い事人気No.1の座を不動のものとしている「水泳」。水泳を習うことの大きなメリットとして、「体力がつく」ことを挙げる人も多いでしょう。

もちろん、水泳は全身運動ですから筋肉が鍛えられ、体力がつきます。ですが、それだけではありません。水泳で身につく最も大切な能力は「自己肯定感」です。

多くの子どもたちを指導してきた私は、どんな習い事より、水泳が、自己肯定感を高められる一番のスポーツだと確信しています。

水泳は、たくさんの成功体験につながりやすいスポーツです。水泳には、「種目」「距離」「タイム」など目標設定に便利な指標が数多くあり、この「種目×距離×タイム」を掛け合わせることで、目標を無限に設定することができます。つまり、それだけ多くの成功体験が積めるのです。

私が運営する水泳の個人レッスン「東京スイミーSS」では、主にクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライが泳げるようになるまでの1000個の目標をインストラクターと共有しています。

1000個のうち、水泳初心者がクロール25mを泳げるようになるまでには、おおよそ200項目くらいの目標があります。子どもは目標をクリアする度に成功体験を積み、自己肯定感を高めることができます。自己肯定感の強さは、人生で得られる成功体験の総量に比例します。

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