ひろゆきがここまで圧倒的支持を集める納得の訳 過酷な世界を生き抜く為の「価値観の断捨離」に共感

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ひろゆき
ひろゆきブームの裏側には人々の潜在的ニーズがある(写真:東京スポーツ/アフロ)

今やコメンテーターとしてすっかりお茶の間に定着した実業家のひろゆき(西村博之)氏。YouTubeのチャンネル登録者数は156万人、Twitterのフォロワー数は187万人(いずれも2022年8月13日現在)と、押しも押されもせぬインフルエンサーとして大活躍中だが、なぜこれだけの圧倒的な支持を集めているかについてはあまり分析が進んでいない。

巷では〝ひろゆきブーム〟という言葉で語られたりもするが、仮にこれが今という時代に特徴的なブームであるとするならば、多くの人々の潜在的なニーズを掴んでいるからだろう。その手掛かりは、2018年以降、すでに十数冊も出している自己啓発本からうかがい知ることができる。キーワードは、「『社会的な成功』から『個人的な幸福』へ」だ。

ひろゆきが、よりよい人生を送るための自己変革を提唱する、いわゆる自己啓発系の著作を上梓したのは2018年の『無敵の思考 誰でもトクする人になれるコスパ最強ルール21』(大和書房)辺りから。以後、大ヒットした2020年の『1%の努力』(ダイヤモンド社)を挟んで、今年7月刊行の『人生が好転する100の言葉 頑張らずに楽しく生きる』(学研プラス)まで13冊もの同種著作がある(文庫化は除く)。

「頑張れば夢が叶う」とは真逆

そこで繰り返し主張されていることを大雑把にまとめると、「考え方次第で人は幸せになれる」ということだ。主だったものを挙げると、①努力信仰の否定、②生活コストを上げない、③消費では幸せになれない――などである。一目でこれまで世の中で持てはやされてきた「頑張れば夢が叶う」的な自己啓発のメッセージとは真逆であることに気付くだろう。

ひろゆきは『1%の努力』で、「僕の世代は就職氷河期だったので、ちゃんと自分の頭で考えてロジックを組み立てないと生きていけなかった」と述べている。前世代の昭和的な安定に恵まれなかったぶん、独力で「判断軸」を模索せざるをえなかったということだ。一種の自己防衛に促されたライフスタイルの変革だったのである。

皮肉な話ではあるが、これが現在、「失われた30年」ともいわれる低成長時代に育った若い世代をはじめとして、「世間」という価値基準に流されずに賢く生きていく現実主義の推奨として前向きに受け入れられているのである。

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