このような空き状況は地域によってかなり違っています。
8月1日時点で比べてみると、たとえば足立区では、全185施設(家庭的保育を除く)で1名以上の空きがある施設の割合は0歳児16.2%、1歳児16.8%、2歳児32.4%と各年齢とも世田谷区よりもだいぶ多くなっています。足立区では、このほかに家庭的保育(保育ママ)も116カ所開設されていて多くに空きが見られます。
同様の数字を杉並区の全222施設(家庭的保育を除く)について見ると0歳児11.3%、1歳児20.7%、2歳児36.0%と、0歳児よりも1歳児での空きのほうかかなり多くなっています。受け入れが1歳児からの園が比較的多いことも影響しているかもしれません。
杉並区では、このほかに区が設ける0〜2歳児対象の保育室(認可外)があって、今年度まで0〜2歳児を多く受け入れてきましたが、その多くが今年度〜来年度で閉室することになっています。
3区とも、区内にも地域差があって、4月直後から「ほぼ空きがない」地域もあれば、空きのある施設が固まっている地域もあります。
つまり、自分が住んでいる地域の状況が非常に重要になります。今年の5月1日時点での空き状況を調べると、園・クラスごとの4月入園の状況(全入だったか待機が出たか)がわかるのですが、過去のデータを開示していない自治体が多いようです。入園担当窓口に自分の地域に絞って問い合わせれば教えてもらえるかもしれません。
「入りたい園」で希望を出す
「人気園を希望すると落ちる確率が高くなるのでは?」と心配する人もいますが、だんだんに入りやすくなっている現状をふまえ、「質重視」で園を選んで希望を出すのがよいと思います。
入園時期も、空きの埋まり具合によっては年度途中に予定するのもありだと思います。早生まれの子どもを低月齢で預けることに抵抗を感じている方も多いと思いますが、1カ月でも2カ月でも遅らせることができれば、ずいぶん違うでしょう。
ただし、欠員状況表は月が進むにつれ「0行進」が増えていきますので、タイミングが難しいかもしれません。定員変更などがないか、園や自治体にも確認することも必要になります。
これまで厳しい入園事情のもとで「入れればどこでも」と考えてしまう傾向がありましたが、もう少しゆとりをもって園選びができるようになってきています。
3歳未満児対象の小規模保育や家庭的保育を選ぶ場合も、途中転園あるいは卒園時に希望の保育園に移れるチャンスはこれまでよりも大きくなっているはずです。
できるだけ中身の人(施設長や保育者)を重視して、信頼できる施設を選んでもらいたいと思います。拙著『後悔しない保育園・こども園の選び方』を参考になります。
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