看板商品を任される喜びが、現場を「明るく」する
赤城乳業のように、現場に「明るく、楽しく、前向き」な空気を生み出す最大のポイントは、「20代に大きな仕事を任せる」ことです。
入社してまだ日が浅い20代社員ほど、「大きなことをやってやろう」と目を輝かせているものです。彼ら彼女らは大きな仕事を任されると、「やりがい」を感じ、いきいきと仕事に取り組みます。
その結果、現場の空気が「明るく」なり、さまざまな仕事に「楽しく」「前向き」に取り組む姿勢が生まれます。実際、赤城乳業では、商品開発に配属された新人の大半が、看板商品である「ガリガリ君」を担当します。
もちろん、大きな仕事を任されるということは、大きな困難とプレッシャーにさらされることでもあります。
「ガリガリ君」には30年を超える歴史があり、すでに数十種類のフレーバーも商品化されています。新人担当者は、新たなフレーバーを簡単には見つけられずに焦り、人気商品の開発というプレッシャーに苦しみます。
「仕事のやりがい」と「難しさ」と「プレッシャー」。その3つの要素を感じながら考え悩む中で、20代は「明るく」たくましく成長していくわけです。
課題の解決も「楽しめる空気」を生みやすい
20代に大きな仕事を任せる際に重要になるのは、少し年上の先輩や直属の上司に「チャレンジを面白がって評価する」空気があるかどうかです。それが、現場を「明るく、元気に、前向きに」する、もうひとつのポイントになります。
コーンポタージュ味のガリガリ君を開発した担当者も、多くの課題に直面しましたが、「こんな変なことを考えやがって」と言いながらも、面白がって協力してくれる同世代の製造担当者が現場にいました。
同じく当時20代の技術部の社員が、関係者に頭を下げて回り、試作段階では本来、使えないはずの主力製造ラインを借りて、2人で試行錯誤を繰り返したのです。
その背景には、「普通のことをやっていたら、ウチの会社らしくない」と、失敗を恐れずに決断できる社長の存在も大きかったと言えます。
「チャレンジや苦労を楽しめる、前向きにとらえる空気」を先輩や上司がいかに作れるか、そこが大きな分かれ目になります。
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