「日本企業の強さは現場力にある」という視点から、現場力を鍛える仕組みをわかりやすく読み解いた1冊で、「私の職場でも応用できるヒントを見つけた」「現場で働くことが楽しくなった」などの声が、読者から多数届いています。
新刊のベストセラーを記念した連載の第2回目は、『現場論』の「ケース事例」でも紹介した良品計画です。「MUJI」として海外でも人気を博している同社の「Bisa(微差)」を「微差力」に変えるコツを解説してもらいました。
「Bisa」なら現場の当事者意識を取り戻せる
「イノベーション」という言葉の連呼が、日本の現場力を劣化させている――。
ここ数年間、私が感じている大きな危機感です。
もちろん私も、イノベーションの重要性や必要性は認めています。しかし、日本の経営者が「イノベーション」という言葉を声高に叫べば叫ぶほど、現場で働く99.9%の人たちの「当事者意識」は薄れていきます。
「イノベーション」という言葉をさんざん聞かされた現場の人は、内心こんなふうに思っているのではないでしょうか。
「イノベーションみたいな革新的な仕事は、自分には関係ない……」
「イノベーションなんて、ごく少数のすごい人がやることでしょ?」
つまり、経営者が「イノベーション」と連呼すればするほど、現場は無関心になっていくのです。
一方、トヨタやデンソーをはじめとする現場力が強い企業の多くは、ダイナミックなイノベーションは否定しませんが、それ以上に「日々の小さな改善・改良」に地道に取り組み、好業績を上げています。
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