沸騰する「#ちむどんどん反省会」批判かイジメか 真っ当な声もあるが誹謗中傷のような酷い言葉も

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昨年から今年にかけて何人かの俳優たちが命を落としました。また、あまり報じられていませんが、作り手の中にも「人々の声で心を病んでしまった」というケースをいくつか聞いています。いずれもその真相まではわからないものの、俳優やスタッフが絶望に追い込まれ、最悪のケースさえ頭をよぎるケースがあるのは間違いありません。

「#ちむどんどんする」にも注目を

もちろん「#ちむどんどん反省会」にツイートしている人々はそれを望んでいるわけではないでしょう。だからこそ厳しい言葉を書き込みそうになったときは、「自分のツイートが命を失うきっかけの1つになってしまわないか」と自分に問いかけてみてほしいのです。

それともう1つ提案しておきたいのは、同じハッシュタグでも「#ちむどんどんする」のほうに注目すること。こちらはあくまでフラットな目線でつぶやかれているものであり、なかには「みんなで朝ドラを楽しもう」という前向きな人も少なくありません。

たとえば、4日放送の第84話後、「今日もまた、『何もできなくても、います』と言ってくれる暢子に #ちむどんどんする。具体的な何かができる訳ではない人でも、連帯する意思を表明する事はできるし、それはないよりあった方が絶対良い。やはり、『当事者以外に出来る事』を考えて貰いたい作品なんだなぁ」というツイートがありました。

これは暢子が1人でヤクザに立ち向かおうとするオーナー・房子(原田美枝子)に、「ウチも来ます。何もできなくてもいます。いさせてください」と名乗り出たハートフルなセリフを受けたものですが、こういういいシーンがあり、それに気づいて共有しようという人もいるのです。

「#ちむどんどんする」には、その他にもフラットな目線からのツイートがそろうものの、「#ちむどんどん反省会」よりかなり少なく、存在感は薄め。もちろん「どんな作品でも楽しまければいけない」というわけではありませんが、フラットな目線の「#ちむどんどんする」より、悪意前提の「#ちむどんどん反省会」のほうが圧倒的に盛り上がる現在の状況は不健全に見えます。

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