原点に戻り大切なものを見つめ直す
山名:40歳を超えた頃から新たな覚悟みたいなものが定まったという感覚はあります。
若手の頃は、例えば先輩と飲んでいる時に「明日、朝から北海道で営業やねん」という話を聞いたら、純粋に「すごいなぁ」と思っていました。朝から飛行機で北海道まで行って、10分ネタをして大阪に戻ってくる。それってどんな世界なんやろうと。
東京のテレビに出る。大きな賞レースに出る。若い頃の自分からしたら「どんな世界なんやろう」と思うものが一つずつ減っていく。そして40歳になった頃にはそれがほぼなくなっていた。
その時に思ったんです。「今一度、自分が『大切だと思っていること』を見つめ直そう」と。
大切なこと。僕の場合、それがネタなんです。改めて、漫才やコント、劇場出番を大切にする。いろいろな仕事をさせてもらって「どんな世界なんやろう」がなくなってきたからこそ、今一度しっかりとそこを大切にする。
そもそも、それがやりたくて、それが好きでこの世界に入ってきたんですけどね。あらゆる“それ以外のもの”を経験してきたからこそ、その思いが40歳の頃に定まりました。
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