平気で「エナジードリンク」飲む人が知らない盲点 カフェインを摂取した後に疲れる人は要注意!

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・カフェインとうまく付き合えるケース
「よし、ここだけの一踏ん張りは越えたから、しっかり寝て休もう!」
⇒眠ることでカスも掃除されますし、カフェインをうまく使いこなせたといえます。
・カフェイン依存につながってしまうケース
「カフェインが切れたらどっと疲れが……。よし、追加でカフェインを飲めばまた元気になれる!」
⇒カスはどんどんたまり続け、カフェインへの耐性もできてしまい、脳はカフェインがある状態を普通だと誤認します。カフェインが切れるといろいろな症状が出て苦しくなり、カフェインをやめられなくなるという負のスパイラルに……。

どうでしょうか? このしくみを知っているのと知らないのとでは、カフェインとの付き合い方がかなり変わるのではないでしょうか。

耐性ができ始めると、より濃度の高いカフェインを使用しないと効かなくなっていきます。最近コーヒーに物足りなさを感じて、飲み物をコーヒーからエナジードリンク系に変えたり、カフェインの錠剤を飲むようになった人は要注意です。

カフェインが原因で起こる「頭痛」

ちなみに「カフェインには解熱鎮痛作用もある」と書きましたが、その一方で、カフェインにより頭痛が悪化することも非常に多いので、頭痛持ちの人は特に気をつけてカフェインと付き合ったほうがいいでしょう。

カフェインの解熱鎮痛作用とは、血管を収縮させることで得られるものです。カフェインが体内にあるあいだは脳の血管が収縮し、一見、頭痛はマシになったように感じます。しかし、体内からカフェインが消えていくと血管収縮作用が失われ、脳の血管が拡張していき、脳の表面の膜がピンと張ることで頭痛が生じます。結果として、「カフェインがないと頭痛がする!」という負のスパイラルが生まれることになるのです。

こうした症状が出てしまうと、カフェインをとる量を自分で調整するのは困難になるでしょう。

カフェインの常用による「カフェイン離脱頭痛」は、カフェインを毎日235mg以上(コーヒーならたったの2杯弱!)摂取していた人の半数に発生するリスクがあります。頭痛のほかにも、カフェインの離脱症状としては、集中力の低下、イライラ、眠気、倦怠感、胃や関節の痛みがあります。

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カフェインをやめたあと12~24時間に発症したこれらの症状は、カフェインの離脱症状と考えたほうがいいかもしれません。症状は大体48時間でピークを迎え、2~9日ほど継続して終わります。

毎日2杯コーヒーをたしなんでいる方で、コーヒーを飲まないとこれらの症状が出る方は、やめる際にはこの数字を思い出してみてください。いったいいつまでこの症状が続くんだろうと思うよりは、目安を知っているほうが、気がラクではないでしょうか。

何より、こうした症状が出ないようにカフェインとうまく付き合っていくことが一番です。

バク@精神科医 精神科医

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Baku

元内科の精神科専門医。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。抑うつ休職経験やADHD当事者の医師としてTwitterでも支持され、フォロワー6.6万人。著書に『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす 生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳 そこそこ幸福に生きる40のコツ』がある。

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