ブルーマウンテン、不味いと思う人に伝えたい真実 本当は美味なのに流通や販売の打ち出し方に問題

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現地の農園を自ら切り開き、ブルーマウンテンの魅力を広めてきた私としては、とても悔しく思っています。本当のブルーマウンテンはおいしいのです。

変わったプロセスや品種にすぐに飛びつく、昨今の安易な風潮はやはり感心できません。スペシャルティコーヒーがすべてではなく、コモディティコーヒーもあってこそです。

焙煎店も消費者も、分かりやすいブランドやラベリングに安住せずに、自分自身が「おいしい」と感じたものを探したいものです。

「正確な情報を得る」ことに気をつけてほしい

日本酒とコーヒーは大手企業が存在したこともあり、結果的に、彼ら自身の売りたい内容が通説として広まってしまいました。一時期、消費者の日本酒離れが進んだのもそのためでしょう。

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ところが昨今では、地方の酒蔵の若い人たちが本当にいいものを作ろうと奮闘し、好転しつつあります。

コーヒーもそうなってくれればと、私は思っています。自家焙煎の若い人たちに頑張ってもらいたい。けれどコーヒーは主に開発途上国から来るものだけに、言葉の問題から正確な情報が取りづらい難しさがあります。

若い人が増えているのはとても喜ばしいものの、願わくばぜひ、若い人こそ「正確な情報を得る」ことに気をつけてほしいと思うのです。

ここ10年でコーヒーはずいぶんメジャーになりました。日本にはおいしいコーヒーがよりいっそう各国から集まるようになり、カフェや器具類も格段にお洒落になりました。長く続けるためにはうわべだけでない本質を見極める努力も欠かせないと思います。

自分がおいしいと思うコーヒーをいろいろな店に行って発見し、自分のスタンダードを作ること。それを日々アップグレードしていくこと。そんな姿勢が大切です。結局は嗜好品ですし、自分がおいしいと思ったものが一番いいのです。

José.川島良彰 コーヒーハンター

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ほせ かわしま よしあき / José Yoshiaki Kawashima

1956年静岡県生まれ。1975年中米エルサルバドル国立コーヒー研究所に留学し、コーヒー栽培・精選を学ぶ。大手コーヒー会社に就職。ジャマイカ、ハワイ、インドネシアで農園開発を手掛け、マダガスカルで絶滅危惧種の発見と保全、レユニオン島では絶滅したといわれた品種を探し出し、同島のコーヒー産業復活を果たす。2007年に同社を退職後、日本サステイナブルコーヒー協会を設立し、2008年にミカフェートを設立。

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