周りに慕われるリーダーがしている評価の伝え方 意識したいポイント3つ、曖昧な表現は一利なし

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仕事の成果は本人が自らアピールしすぎると、単なる自慢に聞こえてしまい、逆効果になってしまいます。そこでリーダーであるあなたが情報発信するのです。意識的に頻繁にほめるくらいがちょうどいいと思います。

「○○ってAさんがとっても優秀らしいですね」「そうらしいですね。私も聞いたことがあります」と、第三者同士が話題にするようになったら、もう彼・彼女がブランド化している証。こうしたメンバーの個人ブランドづくりをサポートするのも、リーダーの大きな仕事です。

さらには、あなたがほめていたことが本人に伝わったり、そのうわさをたどって新たな仕事の話がメンバーのもとにきたりすると、本人は自分が評価されていることを改めて認識します。リーダーとしてのあなたへの信頼度は上がりますし、さらにいい事をしてくれることは間違いありません。

こうして彼・彼女の仕事やチームに関するブランド力向上のよい循環構造ができあがると、チームの目標達成もまた一歩、それに近づくのです。

「不公平」は評価で救う

できる人のところに多くの仕事が集まった結果、同じ給料なのにあまり仕事をしていないように見える人がたくさんいたり、何らかの理由で毎日定時に帰宅しなければならない人のフォローを周りがしている、という状況など多々あると思います。

その一時点で見ると、これはとても不平等です。こうなるとあなたのところには仕事を多く負担している人から不満が集まることもあるでしょう。

仕事というのは不公平なもの。そういわれるのはこのためです。こうした状況に報いるのが評価です。

ただ、このときも感情や本人のアピールの強さにもとづいて評価するのは本末転倒です。

評価は成果にもとづいて客観的にするべきです。 キャリアが浅いとか若いといった理由だけで低い待遇を受けている人は、評価で引き上げるべきですし、過去に実績がったとしても現在成果が出ていないのであれば、その人は評価で公平に引き下げるべきだと思います。

一方、昨今は減ったと思いますが、勤務時間が短いという理由だけで評価を下げるなどということはあってはなりません。男女問わず子育てのために、堂々と定時に仕事を終えている人の中にも、圧倒的な成果を出している人を私は何人も知っています。

むしろ付き合いでたくさんの会議に出たり、長時間オフィスにいるだけだったり、ダラダラと長文を書いたりしている人などを、印象で高評価しないよう気をつけるようにしてください。

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ちなみにここでいう「成果」とは、発揮された能力のことです。

能力があっても発揮されなければ評価対象外ですし、これは必ずしも単純な結果数値だけでは測れません。高業績チームにたまたま所属していたという場合や、難易度の非常に高い仕事を担当していて、他と同じ評価軸では測れないというケースも配慮が必要です。

淡々と客観的事実をベースに評価して成果に報いるとともに、今後の行動を正すためのメッセージとする、というのが評価の意義。繰り返しになりますが、評価の仕方でメンバーのモチベーションは一気に変わるのです。

河野 英太郎 株式会社アイデミー取締役執行役員COO 株式会社Eight Arrows代表取締役 グロービス経営大学院客員准教授

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こうの えいたろう / Eitarou Kouno

1973年岐阜県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。電通、アクセンチュアを経て、2002年から2019年までの間、日本アイ・ビー・エムにてコンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門長、AIソフトウェア営業部長などを歴任。2017年には複業として株式会社Eight Arrowsを創業し、代表取締役に。2019年、AI/DX/GX人材育成最大手の株式会社アイデミーに参画。現在、取締役執行役員COOを務める。
著書に『99%の人がしていないたった1%のコツ』シリーズ、『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』(ディスカヴァー)

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