今の世の中「コツコツ貯金ほど損」って知ってた? インフレのときは「貯金より投資」が強い理由

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投資信託の運用方法には、日経平均株価やTOPIX などの指数に連動して運用しようとする「インデックスファンド」と、それを上回る成果を目指す「アクティブファンド」があります。アクティブファンドのほうが利益の出る可能性がありますが、高利益を狙う分だけ手数料が高いのが特徴です。

一方で、投資信託のデメリットは、手数料がかかることと個別株などと比較すると大きな利回りが期待できないことでしょう。運用会社や管理会社へ「信託報酬」と呼ばれる運用管理費用や、中途解約時に「信託財産留保額」が必要になります。投資信託の購入時にも販売会社へ手数料がかかりますが、ノーロード型と呼ばれる購入時の手数料が無料の商品もあります。

安全性の高い投資信託は?

投資初心者でも始めやすい投資信託ですが、なかでも「つみたてNISA」は安全性の高い投資信託のみ購入できる仕組みになっています。基礎知識を備えたら、まずは一歩踏み出すことから始めてみましょう。

◎絶対損したくない!投資信託の選び方

現在、日本で販売されている公募投資信託は5923本と非常に数が多く、いざ購入しようと思っても何を基準に選べばいいかわからないですよね。自分に合った投資信託を見つけられるように、選び方のポイントをご紹介しましょう。

商品を選ぶうえでは、どの資産をメインに購入している投資信託なのかを確認することが大切。商品によってリスクの幅やリターンの大きさは異なります。

配当金の有無も重要なポイント。毎月分配型などの配当金が定期的にある商品は一見魅力的ですが、利益が出ていない場合に投資した資金が元本から配当金に回されるため、気が付いたら元本がほとんどなくなってしまったとなる恐れがあります。利益が出たときだけ配当金が出るタイプか、配当金が出ないタイプのほうが、長期の資産形成には向いているでしょう。

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個別のファンド銘柄については、投資家から預かっている資産総額を表す「純資産残高・総額」を要チェック。

純資産残高・総額が少額だと、途中でファンドの運用が終了して途中償還してしまう可能性がありますので、長期投資をするのであれば、ある程度純資産残高が潤沢にあるファンドのほうが安心です。

手数料などのコストも重要です。たとえば信託報酬は、ファンドによって大体0.05~3%程度の差があります。運用されている財産から毎日差し引かれるため、数%の違いでも長期間運用すれば大きな差が出てきます。ちなみに、アクティブファンドの信託報酬のほうが比較的高くなります。

投資信託を選ぶときには、これらのポイントを「目論見書」で必ず確認してから購入しましょう。

町田 萌 FPサテライト株式会社代表取締役、ファイナンシャルプランナー

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まちた もえ / Moe Machita

日本大学商学部を卒業したのち、税理士法人での勤務を経て24歳でFP事務所を開業。26歳でFPサテライト株式会社を設立。保険や証券などの金融商品を一切取扱わず、30名以上の所属FPとともに消費者にとって中立中正な立場で業務を行っている。20代~30代前半の婚約中・新婚世帯を中心とした相談実績多数。また、これまでに50名以上の女性FPの教育、マネジメントに携わる。2020年度から産業能率大学通信教育課程の兼任教員を務める。2022年現在、一児の母。

保有資格はCFP®、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員一種、簿記2級など。

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