労働になる「時間」、ならない「時間」の微妙な境目 制服の着替え時間は「労働」電車でのメール返信は
スマートフォンが身近になったことで、休日や退勤後であっても、上司や顧客からチャット、電話などで連絡が入ることがあります。
会社から、勤務時間外は対応する必要が無い旨が明示されている中、自己判断で対応をした場合には、使用者の指揮命令下ではありませんので、労働時間とはなりません。
一方で、会社として明確なルールが定められていない中、例えば、休日に上司から「●●について至急教えてください」というようなチャットが入った場合、多くの人が対応をするのではないかと思います。
このような場合は、黙示の休日出勤命令があったとして、労働時間にカウントされることになります。
お金を払えばいいという問題ではない
しかしながら、このような休日および退勤後の連絡は、たとえ労働時間としてカウントされるにせよ、従業員がプライベートでリラックスしている中、突然仕事モードに入らせることになるので、従業員の心身にとっても大きな負担となります。
お金の問題というよりも、従業員のメンタルヘルスやワークライフバランスに影響を与えることですから、真に緊急の場合以外には、会社から従業員へ安易に連絡を入れることは控えるべきでしょう。
たとえ、「月曜日に回答をしてくれれば大丈夫です」というメッセージであったとしても、休日にそれを従業員が見てしまうと気になりますから、従業員のプライベートを大切に考えるならば、やはり会社からの連絡自体を差し控えることが望ましいと言えます。
顧客に対しても、会社の休日や営業時間外は、緊急時は別としても、原則として対応をできない旨を会社の責任において周知し、従業員が安心してプライベートな期間を確保できるよう努めるべきです。
どうしても24時間体制で顧客対応をしなければならないような場合は、交代勤務制にしたり、輪番で当直者をおくなどの配慮をすることで、従業員のプライベートに無秩序に業務連絡が入ることを回避することが会社として必要な対応です。
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