労働になる「時間」、ならない「時間」の微妙な境目 制服の着替え時間は「労働」電車でのメール返信は

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法的に「休憩」は、労働から完全に解放されている必要があります。かつては、休憩に関する労働トラブルといえば、「昼休みに電話当番を任された日は、休憩ではなく労働時間ではないか」といったような、休憩時間に労働から解放されない、といった内容が典型的でした。

昨今は、フレックスタイム制や裁量労働制など柔軟な働き方が増え、休憩時間を本人の裁量で自由に取得できるという職場が増えましたが、それに伴い、休憩に関する労働トラブルの内容も変わってきています。

休憩が取れなかったのに、休憩時間が算入されている

その背景として筆者が感じているのは、柔軟な働き方の導入に合わせ、従業員本人がスマートフォンのアプリで出退勤の打刻をできるクラウド型の勤怠管理システムの導入が増えていることの影響です。

もちろん、クラウド型勤怠管理システムの導入自体は決して悪ということではありません。客観的な労務管理のため望ましいことなのですが、休憩時間に関しては、本人の打刻ではなく、システム上で自動的に1時間休憩を取得したことになるという設定がされていることが少なからずあります。

その設定により、実際には忙しくて休憩が取得できなかったにもかかわらず、給与計算において、機械的に休憩を1時間取得したことにされ、休憩が取得できなかった部分の賃金が支払われていないというトラブルが実務上で増えているということです。

このような場合、従業員本人が会社側に相談をすると「うちのシステムではそういう決まりになっているから変更はできない」などと説明をされることもあるようですが、システムによる自動計算が法的な「正」になるわけでは決してありません。

休憩が取れなかった日については、上長や人事労務担当者に申告をして、実際に取得できた時間数に休憩時間を修正してもらい、実働時間を延長した部分の賃金の追加支給を受けるのが法的に正しい処理です。

なお、休憩時間は、就業規則に1時間と定められていたとしても、必ずしも1時間まとめて取得しなければならないものではありません。

例えば、昼休みが40分しか取れなかったとしても、コーヒー休憩やタバコ休憩などの小休止を含めると1時間になるということであれば、就業規則で定められた休憩時間は確保できていることになりますので、この点はご留意ください。

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