3つ目にコロナ患者を受け入れる医療機関が限られていることを指摘する。三重県では全国で唯一、インフルエンザ定点(1週間に1つの医療機関に何人の該当患者がくるかという指標)の医療機関の協力のもと、コロナやRSウイルスなどさまざまな感染症の初発症状である上気道炎患者が今、どのくらいいるかというデータを取り調査している。
谷口医師は言う。
「季節性のインフルエンザが最も流行しているときのインフルエンザの定点当たり報告数は40くらい。
インフルエンザを疑われる症状を来す症例でのインフルエンザの陽性率が50%としても、現状の上気道炎症状の患者は40くらいで、季節性インフルエンザの極期(ピーク)の約半分くらいの患者数だ。
ただし、今はコロナ禍という特殊な事情もあり、発熱外来を設け、検査診療を行う医療機関しか診てくれない。その医療機関に患者が殺到してしまい、あふれてしまうのは当たり前だ」
4つ目は、濃厚接触者と認定された看護師・医師の待機期間の問題があるという。例えば、看護師や医師の子どもが罹患して濃厚接触者になると、自宅待機(7月21日までは原則7日間だったが、22日から原則5日間に短縮。検査で陰性が確認されれば3日間)をしなければならない。そうした事態によって、働き手が少なくなっていることも一因だ。
谷口医師「ワクチン接種について改めて考えてほしい」
では、子どもを守るために親にできることはいったい何か。藤本医師、谷口医師の2人の話から見えてきたのは、基本的な感染対策や5歳以上の子どもはワクチンを接種すること、病院受診の目安を覚えておくことだ。
谷口医師は、「オミクロン株は子どもの発熱は非常に多く、咽頭炎も強くて水が飲めない、けいれんの頻度が高いなど、症状はかなり強い。コロナの後遺症も大人では報告されており、子どもも影響がないとは言いきれない。ワクチンは重症化を予防し、打ってから一定の期間は感染も予防できる。一方、ワクチンの副反応は熱が出ることはあるが、重篤な副反応はほぼないとわかっている。これらを念頭に置き、ワクチン接種について改めて考えてほしい」と接種を強く薦める。
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