経費精算めんどうな人はゲーム感覚でやるといい 「めんどくさい」はちょっとした工夫で消せる

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
拡大
縮小

無駄な情報をマスキングして、目の前の作業に集中するのは、目的達成のために情報を組み合わせる、ワーキングメモリが関連する脳の機能です。ワーキングメモリのシステムを構成する脳の領域に、上頭頂小葉があります。この領域は、作業と姿勢の関係をモニターし、感覚データに基づいて、最も有効にその作業が行える姿勢を導き出しています。

スポーツや楽器の演奏をするためには、フォームが重要ですよね。同様に、デジタル作業でも、前述したような最適なフォームがあります。

最適なフォームがつくられると、筋肉から感覚データが上頭頂小葉に集まります。「最適な姿勢がつくられています」という情報が、背外側前頭前野、前部帯状回皮質に送られて、目の前の作業以外の情報には注意が向かないように制御されます。

●キーワード ワーキングメモリ

メールの即レスは消耗が大きい

マルチタスクに追われるときは「その日の戦略を決めて重要な仕事を優先する」

シングルタスクしかできない、なんて言っていられない状況もあります。そんな状況に臨むときは、まず「重要なものから進めるか」「連絡をスピーディーに捌くか」その日の戦略を決めましょう。

メールの即レスのように、「緊急度は高いが重要度が低い仕事」は代謝率のアップダウンが激しいため消耗が大きく、その後の作業がめんどくさくなります。「緊急度は低いが重要度が高い仕事」があるときには、そのための時間を優先的に確保しましょう。朝イチにその仕事に手をつけてから、2番目にメールチェックをすれば、効率よく作業を進められます。

もともとマルチタスクができない脳は、息をつく間もなく出される課題に対して、3つの注意機能で挑んでいます。

① ボトムアップ注意:目立つものに注意を向ける。反射的で素早く反応できる
② トップダウン注意:自らの意図で注意を向ける。目的に持続的に注意できる
③ 注意の構え:目的を達成するために予測する。注意の向け方を決める

作業中に別の作業の催促メールが来たとします。①ボトムアップ注意が使われると、催促メールに素早く反応して、即レス作業に取り掛かります。②トップダウン注意が使われると、催促メールを無視して目の前の作業に注力します。どちらが望ましいかは、場面によって異なりますよね。どちらの戦略で臨むのかを決めているのが、第3の注意である③注意の構えです。

注意の構えが使われると、催促メールが来る時間を予測して終わらせておいたり、催促メールが来た場合に目の前の作業をどこまで終えてからメールを見るかを決められたり、マルチタスクを回避する行動がとれるようになります。

●キーワード 3つの注意

次ページ大量にメールが来て重要なものがわからない!
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT