経費精算めんどうな人はゲーム感覚でやるといい 「めんどくさい」はちょっとした工夫で消せる

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大量のメールの中から重要な情報を拾い出すには「注意の構え”を変更する」

最新の資料で説明しなければいけない仕事のように、メールで送られた情報の確認が最重要であることもあります。この場合は、先ほどお話しした「注意の構え」で重要なメールや確認箇所を特定して、そのメールや確認箇所にだけボトムアップ注意を起動させるようにセットしましょう。

ただ、注意の構えによって、先入観ができてしまい、重要なことを見落としてしまうこともあります(構え効果)。不適切な先入観である構え効果を解除するには、トイレや洗顔、歯磨きなど、身体感覚が直接的に脳に届けられる単純な整容作業がおすすめです。

無駄な作業に時間が費やされるのを防ぐには?

脳内の複数の領域でつくられるネットワークには、3つの種類があります。

『「めんどくさい」が消える脳の使い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

集中しているときに起動するセントラル・エグゼクティブ・ネットワークと、ぶらぶら歩いたりぼんやりしたりしているときに起動するデフォルトモード・ネットワーク。そして、これら2つのネットワークを切り換えているセイリアンス・ネットワークです。

先入観による見落としといった構え効果が発生するときには、セントラル・エグゼクティブ・ネットワークが起動しています。交感神経系の働きにより、心拍数が上がり、視野が狭くなっています。

ネットワークを切り換えるセイリアンス・ネットワークは、身体感覚を基準に切り換えを行っているので、強烈に身体感覚を脳に届けられれば、ネットワークは切り換わります。強烈な感覚とは、内臓感覚や皮膚感覚です。

整容作業などでこれらの感覚データを脳に届けてから作業に戻れば、無駄な作業に時間が費やされるのを防ぐことができます。

●キーワード 構え効果

菅原 洋平 作業療法士

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すがわら ようへい / Sugawara Yohei

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。その後、ユークロニア株式会社を設立。現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当する傍ら、企業研修を全国で行なう

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