社内のエリートが転職で成功するとは限らない 「現職」と「転職時」の評価はどこが異なるのか

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社内で活躍したエリートが転職活動で苦戦する!?「評価ギャップ」はなぜ生まれるのでしょうか(写真:kikuo / PIXTA)
「勤めている会社で高い評価を受けておくことは、転職する際にも役立つ」と考えている方は少なくないでしょう。当然のことに思えますが、これは本当なのでしょうか。
これまで1000人以上のビジネスリーダーのキャリアチェンジを支援し、東京大学のキャリアデザインの授業で教鞭を執っていたコンコードエグゼクティブグループCEOの渡辺秀和氏は「社内評価と転職時の評価は一致しないことも多いので注意が必要だ」と指摘します。転職が当たり前となった現代において、ビジネスパーソンが知っておくべきキャリア設計のノウハウについて渡辺氏が解説します。

社内評価と転職時の評価が一致しない不思議な現象

「同期の中でトップだった先輩が、転職活動をしたが、いい話がなくてあきらめた」

「社内ではパッとしなかった後輩が、外資系企業へ転職して、収入が大幅にアップしたらしい」

このように、転職に際し、社内で優秀とされていた人とそうでない人の結果が真逆になるという話は、珍しくありません。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

大手銀行に勤めるAさんの事例をご紹介しましょう。Aさんが勤める銀行ではX支店を経ることが出世コースとして認識されていました。Aさんは、転職を検討していましたが、X支店への異動の話があがったため、いったん銀行に残ることにしました。「X支店で経験を積んだほうが、転職の際により良い条件で転職できるのではないか」と考えたのです。

数年後、X支店での勤務を経て、30代半ばとなったAさんは、満を持してキャリアチェンジとなるコンサルティング業界への転職活動を開始しました。しかし、X支店の出身であることをアピールしても、思いのほか面接での反応が薄く、転職活動では思うような結果が得られません。それどころか驚いたことに、社内ではあまり目立たなかった後輩が、Aさんが志望するコンサルティング会社へ3年前に入社して既にマネージャーに昇格していたのです。

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