社内のエリートが転職で成功するとは限らない 「現職」と「転職時」の評価はどこが異なるのか

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それでは、人材市場で評価されるキャリアとはどのようなものなのでしょうか。

人材市場においては、なんでもマルチに70点ずつ取れるような人材よりも、1つの分野でいいので100点を取れるような「尖ったキャリア」を持つことが評価されます。そのため、自分が突き詰めたいと思っている分野で経験を重ねることが大切です。

将来は経理・財務領域に携わりたいと考えているならば、仮に経理部門が社内であまり評価されていなかったとしても、社内の評価に流されずにキャリアを選択することが重要となります。人材市場で高い評価を得るには「自分の望む領域で、ライバルよりも高度なスキルや力を、できるだけ早期に身につける」ということがベーシックな考え方なのです。

いまや、終身雇用が崩壊し、会社にキャリア形成を頼ることが難しい時代となっています。転職を考えていなかったとしても、見通しが立たない現代を生きるうえで、このような視点を持っておくことは大切でしょう。

現代の人材市場で需要が高い3つのスキル・経験

「では、どのような専門性や売りを持つ人が人材市場で高い評価を受けるのでしょうか?」という質問を頂くことがあります。どのような領域に専門性を持つべきかについては、当然個々人によって異なり、正解はありません。「人気が高い仕事だから」「年収が高い仕事だから」などといった理由で選択して、仕事を楽しめないようであれば、本末転倒です。

ぜひ、ご自身の「好き・嫌い」など、自分の中の価値観を大切にして、選択していただきたいと考えています。自分の好きな仕事を選ぶことで、仕事にも打ち込みやすくなり、顧客や組織への貢献を楽しみながら、スキルを高めていきやすくなるでしょう。

それでも、幅広い領域に関心を持っていて、専門領域をなかなか決めきれないという方もいらっしゃるかもしれません。ここではご参考のために、現在の人材市場で引く手あまたとなっているスキル・経験を紹介したいと思います。

現在、ビジネスリーダーを積極的に採用する企業の多くが口を揃えるキーワードは「DX」「ポストコンサル」「M&A」の3つです。

以前からあったデジタルトランスフォーメーション(DX)需要がコロナ禍に後押しされ、さらに拡大しています。いまやデジタルを根幹に置いてビジネスモデルの高度化、拡大を実施していくことは、企業の成長に直結します。そのため、企業戦略を見据えたDX対応ができる人材へのニーズは引きも切らない状況です。

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