世界の「SDGs&ESG先進企業」ランキングトップ50 「世界で最も持続可能な100社」に日本は3社選定

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一方、クリスチャン・ハンセンは収益の約80%をSDGsへの貢献に活用。SDGsが掲げる目標のうち目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標12「つくる責任 つかう責任」の3つの目標を特定し、環境負荷を軽減した収穫量の拡大や、健康効果があると認定された商品の投入、ヨーグルトの製造工場から出るホエイ(廃棄物)の削減を目指している。

なお、前回に続いてトップ10入りしたのは、電機メーカーのシュナイダーエレクトリック(4位)、インフラ関連のアメリカン・ウォーター・ワークス・カンパニー(6位)、電力会社のオーステッド(7位)の3社。同ランキング上位の入れ替わりは激しい。また、10位のうち6つは欧州勢となり、SDGsに対する実行力の高さがわかるというものだ。

存在感薄い日本企業

SDGsに対する取り組みはテクノロジー系企業で進んでいることからベスト100にも同業種が多く選ばれ、水関連の事業を手がける企業も目立つ。水資源の枯渇は何年も前から叫ばれていて、いよいよ注目度が高まってきたようだ。

地域別で見ると、欧州41、北米36、アジア・太平洋20、中南米3、中東・アフリカは0という結果だった。ちなみに、12年のランキングでは欧州59、北米14だったので北米の追い上げは目覚ましいところ。直近では欧州と北米がトップ100の約8割を占める。

他方、アジア・太平洋は21年に23あったのが、今回は20にまで減少している。

日本からは積水化学工業(22位)、エーザイ(32位)、コニカミノルタ(53位)の3社がランクイン。日本企業は15年の1社から16~18年は4社、19年は8社と健闘していたが、20年に6社、21年に5社と減少の一途をたどっていて、昨年までは常連だった武田薬品工業シスメックスはトップ100から姿を消すことに。

対して、積水化学工業は5年連続で選ばれている。同社はサステナブルな社会の実現に向け、30年までの長期ビジョン「Vision 2030」を策定。ここでは「ESG経営を中心に置いた革新と創造」を戦略の軸に、製品・事業の革新による現有事業の拡大、新事業基盤の創造・獲得による新たな事業の創出を両立させ、社会課題解決へ貢献。

このサイクルにより30年にはグループの業容そのものを倍増(売り上げ2兆円、営業利益率10%以上)させるという。また、SDGsについても、グループで取り組む社会貢献活動の中で、持続可能な社会づくりにつながる活動を「SDGs貢献活動」と定義し、グループ全体で推進している。

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