ESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)など非財務関連の情報を企業分析に使おうという動きが広がりつつある。だが、これだけで企業の評価は難しく、やはり財務力が基本になることは間違いない。
この財務面での企業の真の力を探ろうとする「財務力ランキング」は今回16回目の作成となる。成長性、収益性、安全性、規模の4つのカテゴリーで、それぞれの財務指標(3年平均)を多変量解析の「主成分分析」で相対評価。各得点を合計して作成した。
指標は財務諸表分析で基本的な項目が中心。このうち収益性、安全性、規模の3つの得点はCSR企業ランキングの財務得点としても使用している。
ランキングの対象は2021年9月1日時点で上場している一般事業会社(銀行、証券・先物、保険、その他金融は除く)で、2021年3月期までの財務データが1期以上取得可能な3580社だ。今回は、このうち上位300社をご紹介する。なお上位1000社は4月発売の『CSR企業白書』2022年版に掲載する予定だ。
2年連続で任天堂が首位に
ではランキングを見ていこう。1位は2年連続で任天堂(3870点)だった。
成長性950点、収益性920点、安全性1000点、規模1000点と高得点がずらりと並び2位以下を圧倒。2021年3月期の総資産2兆4469億円のうち現金預金が1兆1851億円を占める。2020年3月から1年間で現金預金が2947億円増加するという「超キャッシュリッチ」だ。自己資本比率76.6%、有利子負債ゼロといった安全性の高さを示す指標は数多い。
売上高は2021年3月期に1兆7589億円と昨年から34.4%上昇するなど成長性も高レベル。売上高営業利益率36.4%、ROE25.6%など収益性も高い評価となった。
ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の爆発的な人気も一服し、今期2022年3月期の会社予想は売上高1兆6500億円、純利益は4000億円と若干低下傾向にある。だが、各指標は圧倒的な強さを示す。第3回から第5回まで3年連続トップだった同社が、再び3年連続首位となるか注目だ。
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