進化中のゴルファーは、言い訳なんかしない 松山英樹は今、太く逞しく進化中

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その翌週、苦手なソニー・オープン・イン・ハワイで彼は、予選通過したものの3日目にMDF(made cut did not finish=3日目カット)で、またもや敗退した。

そのときのコメントで「相性が悪いというよりは、そこに打っていく力がないというほうが正しいと思う」と語った。

実は、このコメントはなかなか選手の立場では言わない。僕が海外でよく耳にしたのは、そのほとんどが言い訳コメントだった。「まだ日本ではシーズンが始まっていないので……」「まだ調整中」「相性が悪い」「もう少しショットがよかったら……」、こんな内容ばかりであった。

グイグイと進化している途中

松山のコメントは、自分自身をしっかりと追い込んで、何が悪かったのか、何が足りなかったのかを認識したものだと思う。こういうコメントを吐く選手はそのとき、グイグイと進化してスキルを上げていく途中にあるのだ。

昨年末、青木功プロ生活50周年のパーティに松山も参加していた。そのときに、ちょっと立ち話をした。「胸板が、すごく分厚くなったね」と言うと、うれしそうな笑顔で「ええ、鍛えています」と言った。ついつい僕は「今の努力とか精進は、つらくも苦しくもないからね。当たり前のことだって平気な顔していればいいよ」と言ってしまった。そして「なぜなら、君には、しっかりとした目標と夢がある。それも大好きなゴルフで……。それは苦しみではなく、達成のために通る道だから」と言うと、「はい。大丈夫です。自分でも、そう思っています」と答えた。

松山は、さらに野太くなっていた。米ツアー、そしてマスターズやメジャーでの活躍がますます楽しみになった。

週刊東洋経済 2月14日号

三田村 昌鳳 ゴルフジャーナリスト

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みたむら しょうほう

1949年生まれ。大学卒業後、『週刊アサヒゴルフ』副編集長を経て、77年にスポーツ編集プロダクション(株)S&Aプランニングを設立。日本ゴルフ協会(JGA)オフィシャルライター、日本プロゴルフ協会(JPGA)理事。逗子・法勝寺の住職も務める。

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