コロナ禍を経て「結婚と恋愛」に起きた意外な変化 恋人が欲しくなったという人は増えた?減った?
時代とともに、恋愛・結婚のあり方や捉え方は絶えず変化していく。今を生きる多くの人たちの恋愛観・結婚観に大きな影響を与えたのが、外出自粛や新しい生活様式が求められた新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行だ。
コロナ禍で恋愛の実態や結婚観はどのように変化したのだろうか。今回はリクルートブライダル総研の「恋愛・結婚調査2021」をもとに、コロナ禍がもたらした影響をひもといていく。
「結婚」は選択する時代へ 恋人がいない人は約7割弱
今の日本における「結婚」は、一昔前と比較して大きな変化を遂げた。戦後から現在まで年間の婚姻組数をみると、1972年の約110万組をピークに減少に転じている。1990年代に入ってから一時は回復の傾向が見られたが、2000年代に入ると再び減少傾向に。2020年にはピーク時の半分以下である52万5507組となった(「人口動態統計(厚生労働省)」)。
婚姻組数が減少した背景の1つには、20〜30代を中心とした若年層の人口減の影響がある。いわゆる団塊の世代や、そのジュニアの世代が20~30代になるタイミングには、婚姻組数が増加していた。
もう1つの大きな背景は、結婚をしない人たちが以前より増えたことだ。50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合は、この30年で一気に上昇した。
国立社会保障・人口問題研究所によると1990年には男性5.6%、女性4.3%で、約95%が結婚している状態だったが、直近の2020年では男性28.3%、女性で17.8%となり、結婚そのものが「するのが当たり前」だったものが「するかしないか選択するもの」に変わったといえるだろう。