コロナ禍を経て「結婚と恋愛」に起きた意外な変化 恋人が欲しくなったという人は増えた?減った?
結婚に向けたアプローチ方法も、時代とともに移り変わる。かつて日本での主流は「お見合い結婚」だったが、1960年代を境に「恋愛結婚」の割合が上回り、今では恋愛結婚が主流に。結婚したいのであれば、誰かにお膳立てしてもらうことが前提ではなく、自分で結婚相手を見つける時代になったといえるだろう。
では、今の日本における恋愛はどのような状態なのだろうか。リクルートブライダル総研の直近の調査では、20代から40代の未婚者において、恋人がいる人の割合は33.4%、恋人がいない人の割合は66.6%。この結果は2年前と同水準で、これまでと同じく恋人がいない人のほうが多い。
リスクを負ってまで、非合理的な恋愛はしたくない
最近の恋愛の特徴として、調査などから若年層を中心に4つのキーワードが見えてきた。
1つめは「調和」だ。現在の若者は空気を読み、周りとの調和を大切にしている人が多い。とくに直接会うリアルコミュニティーでその傾向は顕著だ。その中で、恋愛が「しにくいもの」になっている。
既存コミュニティー内で交際する、あるいは後に別れると、周囲に気を遣わせるなどして輪を乱す可能性もあり、平穏な人間関係が乱れることに気を遣う。それを打ち破ってまで恋愛をしたいとは思わず、少し後ずさりをする人が多いのではないだろうか。
実際にデータをみても「コミュニティー(会社・サークル・仲良しグループなど)の中での恋愛は、何となく気が引ける」という回答は若い人のほうが高くなっており、「調和」と「恋愛」の関係がうかがえる。
2つめは「リスク」だ。現在の若者はリスクに対して敏感に反応し、失敗を恐れる傾向がみられるが、それは恋愛においても同じだ。実際に「振られるリスクを思うと告白したいとは思わない」と回答する割合は若い人ほど高い。
そして、「恋愛に求めるのは刺激より安定だ」という志向も高くなっており、若者が恋愛においても失敗する「リスク」を避け、「安定」に価値を感じるようになってきている。不安感のある社会の中で生きている、またSNSなどでは個人同士がつながりやすく、オンライン上に「過去の失敗」がストックされやすいといった時代性も影響しているだろう。