2回目の結婚相手は「飲み友達がいい」の納得理由 45歳&50歳で再婚した2人が率直に語ること

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期待を裏切られたと思うのだろうか。浩平さんと交際した女性は次第に不安定になることが多かった。最後に同棲していた女性からは鍋を投げつけられて骨折したという。

「給料を全額渡しても『お金が足りない』という無職の女性でした。かなり痛い方でしたね……。もう無理だと思って別れたのが昨年の11月です。彼女と別れたことよりも、一緒に飼っていた猫を持っていかれたことのほうがショックでした。寂しいな、と初めて思いましたね」

浩平さんはスマートだけど情はさほど厚くない人物なのだ。酒場で「優しそう。頼れそう」と勘違いされて好かれるよりも、マッチングアプリで多くの候補を見て自分からアプローチするほうが正しかったのだろう。

「私がいなくても食べていける人が理想です。その点、美穂さんはちゃんと仕事をしているし、私の仕事もちゃんと尊重してくださる、と感じました。一緒に住んでいない頃、電話もできない時期もあると伝えたら『いいよ』と受け入れてくれたのはうれしかったです」

人生の後半戦を一緒に過ごす相手は飲み友達でいい

お酒好きの浩平さんは美穂さんの地元でもある下町の酒場を大いに気に入り、東京の西部地域にある部屋は撤収する予定だ。職場までは少し遠くなったとはいえ、片道1時間ほどで通える。

美穂さんは小さな会社の事務を一手に引き受けており、朝4時起きで出社しなければならない。浩平さんが美穂さんの広い部屋に引っ越してくることが現実的だった。

「私の生活は何も変わりません。毎日、浩平さんと一緒に食事ができて、休日は今日みたいに美味しい料理をいろいろ作ってくれます。スーパーで食材を買うのが楽しみになりました。外で飲むことは減りましたね。家で飲んだほうが楽だからです。

二人の子どもを作るつもりはさらさらありません。孫が生まれたらうれしいけれど、一緒に住みたいなんてまったく思いませんよ。30分ぐらいかわいがれば十分です」

浩平さんの娘と息子もすでに成人している。息子のほうとはオンラインゲームだけでつながっていて、お互いをハンドルネームで呼び合っているらしい。

「ボイチャ(ボイスチャット)で結婚したよと報告しました。おめでとう、と言ってもらいましたが、顔を合わせる機会は今後もないと思います」

人間関係にややドライな感覚の持ち主である浩平さん。2人の息子を育て上げて生活を楽しむことに集中したい美穂さん。それぞれ自立しつつ、あれこれ気楽にしゃべれる晩酌の相手が欲しいという点で一致している。人生の後半戦を一緒に過ごす相手は飲み友達でいいのかもしれない。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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