医者でさえ「7割が生活習慣病」に陥る科学的理由 「糖」は脳にとって特別で中毒性が非常に高い

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医者でも生活習慣病の人が多いのはなぜなのでしょうか(写真:sunabesyou/PIXTA)
日本人の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく自立した生活を送れる期間)は男性72.68歳、女性75.38歳(厚生労働省調べ、2019年の値)。平均寿命までの10年前後は健康上の問題を抱えることになります。
そのギャップ期間を短くするにはどうしたらいいのでしょうか。新著『健康寿命を延ばす「選択」 “見える化”すれば、“合理的に”選べる』を上梓した聖路加国際病院・心血管センターの循環器内科医である浅野拓氏は、ポイントの1つとして、「合理的な選択」を心がけることを説きます。

食事は「生きるため」より「快楽のため」に

健康寿命を延ばすにはどのような生活習慣を選択するかが重要ですが、ポイントの1つは、いかに自分の体に合った食べものを選択するか、です。

今日のランチは何を食べましたか? 最近行った外食では何を選びましたか? どんな理由で選びましたか?

「おいしそうだったから」「食べたかったから」ではないでしょうか。

現代に生きる私たちにとって、食事は「生きるため」というより「快楽のため」という意味合いが大きくなっています。テレビでも雑誌でもインターネットでも、あるいは人々の会話の中でも、「どこどこの○○がおいしい」といった話題は尽きません。それだけ人々の関心が高いのでしょう。

でも、食事に対してそうした付加価値をつけたのは、ごく最近のことです。第二次世界大戦直後までは生きるための食事が主流だったので、余裕がでてきたのは、ここ50~60年のこと。快楽のための食事は、500万年ともいわれる人類の歴史を考えると、まだ0.001%ほどしか経験していない食事のあり方なのです。

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