香港税関が摘発、過去最大級「黄金密輸出」の手口 重量146kg、時価18億円超を空気圧縮機に偽装

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金地金の売買に課税されない香港は、密輸グループの輸出拠点になっているとされる。写真は香港国際空港で取り締まりにあたる税関職員(香港税関のウェブサイトより)

世界的な地政学リスクの高まりなどを背景に、金(ゴールド)の国際価格の高騰が続いている。そんな中、香港政府の税関が過去最大級の金の密輸出事件を摘発した。押収された黄金の重量は約146キログラム、時価ベースの価値は約9490万香港ドル(約18億3966万円)に上る。

香港税関が4月8日に発表した事件のあらましによれば、香港国際空港の税関分署が3月27日、申告書類に「空気圧縮機」と記された疑わしい貨物を検査した。するとX線検査装置により、貨物の内部に異常に密度が高い部分が存在することが判明した。

密輸出の目的地は日本

問題の貨物は、2つの大型の木箱に空気圧縮機が1台ずつ収められ、総重量は775キログラム。香港から日本に向けて空輸される予定だった。

これらの空気圧縮機は外観に不自然な点は見当たらなかったが、税関職員は異常の所在を確認するために分解を決断。まず1台目の空気圧縮機からモーター、ポンプ、フィルターなどの主要ユニットを取り外し、X線検査装置にかけ直して詳しく調べた。

すると、密度が最も高い部分はモーターの内部にあることがわかった。税関職員がモーターを分解すると、内部の構造が一般的なモーターとは異なっており、疑惑が深まった。

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