映画産業−ジブリ作品が牽引、邦画構成比アップ、入場者2億人達成にシネコン建設続く

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2004年の全国映画概況によれば、総入場人員は前年比4.8%増の1億7009万人余、興行収入は3.8%増の2109億円余で前年に続いて新記録を達成した。また、邦画は17.8%増と好調で構成比は37.5%(前年33%)に高まった。2002年には邦画構成比は27.1%と一時30%を割り込んだが、急速に盛り返した形だ。映画館数は5.4%増の2825スクリーンに増加した。2005年には「新館の決定済みが226、閉館予定が39、純増が187あるのでこのままいけば3012館と3000館を超える」と日本映画製作者連連盟の松岡功会長は予想する。
 2004年の興行収入10億円以上のヒット作は邦画が20本(前年17本)、洋画が31本(同29本)で、トップはスタジオジブリの「ハウルの動く城」(11月、東宝系公開、200億円)、洋画では「ラストサムライ」(ワーナー、137億円)だった。スタジオジブリは2001年公開の「千と千尋の神隠し」が興行収入300億円を超える空前のヒットを記録、邦画の構成比を39%まで高めた実績があるが、2004年もこのジブリ効果が大きかったといえる。松岡会長は邦画構成比の上昇を背景に「先進国の中では日本映画が最も米国映画に対抗している」と胸を張った。日本映画は入場人員2億人という長期目標を立てているが、「このまま頑張れば達成は可能」(松岡会長)という。
 2005年はジブリ作品はなくなるが、正月作品の「北の零年」(東映系)、「東京タワー」(東宝系)等が予想以上にヒット、松竹は110周年記念3作品(「亡国のイージス」等)を予定。角川映画は「戦国自衛隊」(26年前に公開した前作とは内容は全く変え、陸上自衛隊が全面協力)、8月の「妖怪大戦争」などが控える。日本映画にとってシネコン(複合映画館)中心の映画館3000、入場者2億人が当面の目安であり、今年はその試金石の年となる。
【宇田川日出雄記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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