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「たった1日の育休」を取った銀行員の複雑な胸中 育休取得男性の約3割が5日未満という衝撃事実

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「8月に入社し、10月末に子どもが生まれました。事前に育休に入ることが決まっていたため、転職後すぐは担当顧客を持たず、復帰してから徐々にクライアントワークを始めたんです。こういった配慮はトップの理解があったからこそだと思います」

松下さんは復帰後、新規ビジネスとして学校事業を立ち上げ、現在は子会社化されたサイルビジネス学院の代表を務めている。新たな事業運営で忙しい日々を過ごす松下さんにとって育休は、かけがえのない時間となった。育休中に生活の土台をつくれたことが、その後の育児・家事に生きていると感じている。

「どちらかが昼間に働いたり、出かけたりできるのは、夫婦がお互いに役割分担をして、一緒に家庭を回しているからなんですよね。家族は代替がきかないからこそ、まずは家庭や生活を大切にすることが大事だと痛感しました」

LegalForceの松本さんと、才流の松下さん。いずれも働くスタイルはリモートワークだ。在宅での仕事のため、育休復帰後も継続して育児・家事を積極的に行えているという。

また、トップや職場の理解があり、男性の育休取得者に対して、業務の割り振りを配慮するなどのサポートがあった点も共通していた。

負荷を最小限に、スムーズに育休に入り、戻ってくる姿を同僚が見ているからだろうか。いずれの企業においても、その後、育休取得を希望する男性が出てきている。

「取得率」だけでは見えてこない企業の本質

2023年4月1日から、男性従業員の「育児休業取得状況」の公表が義務化される。常時雇用する労働者数が1000人超の事業主に対して、男性従業員の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」の公表が求められるのだ。

ただし、その企業が本質的な取り組みを行っているかどうかは、「取得率」だけでは見えてこない部分もあるだろう。

「形だけでも男性の育休取得者をとにかく増やせばいい」と捉える企業なのか。あるいは、男性の育休取得をきっかけに「誰が休んでも回る職場をつくろう」「優秀な人材を採用し、社員の活躍や長期キャリア形成につなげていこう」とする企業なのか。男性育休の捉え方からは、まるで“リトマス試験紙”のように、その企業の人材観や人的資本の考え方が透けて見えるようだ。

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