千葉雅也「思考を効率化しない事」がなぜ重要か 話題の哲学書『現代思想入門』の著者に聞く

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話題の哲学書『現代思想入門』の著者・千葉雅也さんに聞く、ビジネスパーソンへ向けた哲学の話(写真/KAOLI)
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大人の男として人生をより豊かに楽しむためには知っておいたほうがよいことがたくさんあります。この連載ではそんな必須の習得項目を、それぞれの専門家にお話を伺って最新事情を交えてご紹介。今回のテーマは「哲学」。語り手は、いま話題の哲学書『現代思想入門』の著者・千葉雅也さん。現代社会を生きるビジネスパーソンへ向けた、リアルで奥深い哲学の話、後編です。
哲学書としては異例のベストセラーになっている『現代思想入門』(講談社現代新書)の著者・千葉雅也さんに哲学の意味とそれをいま学ぶことのメリットを教えてもらおうという今回の企画。その後編をお送りします(前編はこちら)。

地道に積み重ねていくことで自然と色々考えるように

── 前回は、私たちの思考は二項対立(2つの概念が対立・矛盾した状態)に縛られていること、そしてその中間のグレーゾーンにこそリアリティがあるということを語っていただきました。こうしてお話を伺うことで、気づきを得られた実感があります。

本記事はLEON.JPの提供記事です

千葉:『現代思想入門』の読者からは、普段頭の中で考えている言葉の“解像度”が上がったなんて感想をいただいています。つまり二項対立という対立構造に対して、客観的に捉えることができるようになった、ということですね。少し引いて、俯瞰するという。

── そもそも哲学って、もっと難解なイメージがあったので、新鮮だったというか。でもその一方で、これを自分の中で一過性に終わらせたくないという気落ちも芽生えてきました。

千葉:確かにハイデガーとかカントとか、有名な哲学者の本は難しいかもしれないけれど、僕の本のような入門書や若手の人が書いた哲学的な本を読むのでもいい。入り方はいろいろですけど、地道に積み重ねていくことで、日常の中で自然と色々考えるようになっていくと思います。

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