在宅勤務増えて加速する日本の職場の「昭和化」 ポストコロナ時代の働き方はどう変わるのか

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岡本:まったく同感です。当社も、地方創生の事業でさまざまな地域の自治体や企業から人材の要件やニーズを聞いてまわるのですが、リモートだけで商談していてもなかなか話が進展しない。でも、こちらから会いに行くと、翌週からはなぜか案件が動くんですよ(笑)。

東松:一気に「血が流れる」みたいな(笑)。

岡本:やっぱり、まずはお互いに顔を合わせるところから信頼関係は生まれるものだとつくづく感じますね。リアルなところで「では、これからよろしくお願いしますね」とガッチリ握って、そこから一気に血が通いだす。

リモートで「切り出しにくい案件」増えてる?

東松:僕もオーストラリアの「ケアンズ&グレートバリアリーフ観光大使」をやらせていただいているのですが、それも現地の観光局の方が来日したタイミングでたまたまお会いして、「何かお願いできませんかね……?」と、微妙なニュアンスの打診があったんです。メールやリモートでは言いづらかった話が、たまたま会った時にポロっと出て。

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岡本:その観光局の方の気持ち、すごくわかるなぁ(笑)。仕事のお願いごとをするときに、メールやリモートでは切り出せなくて、実際に会って雑談している中で「あ、実は……」とはじめて切り出せるものがある。

東松:リモートが定着したことで、そういった微妙に切り出せなくて止まっている案件がたくさんありそうですね。昔だったら、一緒に飲んでいる流れで軽くお願いしていたことも多かったけど。

岡本:そうなんですよ。でも、これも「昭和」な考え方なのかなぁ(笑)。

東松:でも、若い子たちも会ってイヤな気持ちにはならないと思いますよ。うまくリアルなコミュニケーションを取り入れるのは、世代に関係なく必要だと思います。

(構成:堀尾 大悟)

岡本 祥治 みらいワークス社長

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おかもと ながはる / Nagaharu Okamoto

1976年神奈川県生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。アクセンチュア、ベンチャー企業を経て、47都道府県を旅する過程で「日本を元気にしたい」という思いが強くなり、起業を決意。2012年、みらいワークスを設立し、2017年にマザーズ上場を果たす。BS JAPAN 「人生が変わる人事の話」に人事の専門家として、20回以上出演。趣味は読書と焼肉と旅行。海外は93カ国以上に渡航。

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東松 寛文 リーマントラベラー、休み方研究家

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とうまつ ひろふみ

神戸大学経営学部卒業。広告代理店で働くかたわら、週末で世界中を旅する「リーマントラベラー」に。週末で人生を変えた休み方のスペシャリストとして「休み方研究家」としても活動。オーストラリア『ケアンズ&グレートバリアリーフ観光大使』、岐阜県『羽島市アンバサダー』。70カ国159都市に渡航。3カ月で世界一周を達成し『地球の歩き方』から旅のプロに選出。TV・新聞・雑誌などメディア出演・執筆多数。全国各地で講演も。著書に『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』、『休み方改革』、『週末だけで70ヵ国159都市を旅したリーマントラベラーが教える 自分の時間の作り方』InstagramTwitter

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