親が結果に拘泥すればするほど、子どもは「賢馬ハンス」のようになっていきます。親が望む結果を出せるように努力し、自分のために勉強するというより親のために勉強するのです。そういう子は、ここぞという本番でもうまく結果を出せません。「ここでもし失敗したら、親が悲しむだろう」と考えてしまって、本番で失敗してしまうことが多いのです。
東大生の親に多いのは、「結果ではなく過程をほめるタイプ」です。普段からそこまで強く「勉強しなさい」とは言わず、テストの結果もそこまで拘泥しない。もちろん、テストで100点を取ったらほめてあげるけれども、それは100点という結果ではなく「100点を取るくらい頑張ったこと」をほめてあげる。
結果が80点であっても60点であっても、きちんと頑張っていたのであればそれをほめて、本人が「もっと点数が取れたはずだ」と悔しがっているなら、一緒に「どうすれば努力が結果につながるか」を考えてあげる。
点数が悪かったときには、怒るのではなく「どうして点数が悪かったのか一緒に考えよう」と言ってあげる。叱るにしても、「点数が取れなかったこと」ではなく「努力が足りなかったこと」と向き合うようにして、努力してその結果なのであれば、怒ったりはしない。
むしろ点数が悪くても、親御さんの目から見て一生懸命努力していたのであれば、ほめてあげる。そういう姿勢がある親御さんのほうが、子どもは伸びやすいのです。
子どもが何を望んでいるのかを見てあげる
「それでも、ウチの子は本当に、私が言わないと何にも勉強しないんだ!」というご家庭もあるかもしれませんが、それはそれでその子の「よさ」として認めてあげましょう。
「なんで勉強しなきゃなんないんだ」と親に反抗するような元気のいい子というのは、もちろん勉強しない困った子でもありますが、自分の意思をはっきり表明できる能力を持ったすばらしい子でもあります。
自分から「勉強しなきゃならないな」と感じたり、「自分は将来、こうなりたいな」と思うものが見つかったりした瞬間、爆発的に成績をあげることがあります。
僕も、親に自分の成績を隠して遊びほうけて、先生が親に言ってそれが発覚する、なんてことばかりの人間でしたが、高校3年生になってから毎日15時間勉強しても苦ではなくなりました。また、僕と同じように子どものころは「勉強しなさい」と言われても全然勉強しなかったけれど、高校になってから一気に意識を変えて勉強するようになった、という東大生も数多く存在します。
大事なのは「本人の意思」です。今は少子高齢の時代ですが、子どもから見ると「子どもが少ない時代」ではなく「大人が多い時代」です。大人が多いということは、その分、大人から評価されることが多く、大人の顔色を伺うことが当たり前になっている子どもが多い時代です。
子どもは昔よりも大人がどう思っているかを気にします。そういう時代だからこそ、「子どもが」何を望んでいるのかをしっかりと見てあげましょう。親や大人ではなく、本人の意思をしっかりと見てあげる。親御さんにそういう姿勢があれば、いつかは子どもが自分で羽ばたけるようになるのではないでしょうか。
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