中国で4社目の5G(第5世代移動通信)事業者が、商用サービスの試験提供を開始した。ケーブルテレビ事業などを手がける中国広電(正式社名は中国広播電視網絡集団)は6月27日、5Gサービスの始動セレモニーを開催。近い将来に一般向け正式サービスの提供を始める。
財新記者の取材によると、今回の商用試験サービスは事前に行われた電話番号の予約キャンペーンに申し込んだユーザーだけを対象にしている。
関係者によれば、中国広電は国内の20省で商用試験サービスを実施し、ネットワークのテスト、最適化、最終調整を経て正式サービスに移行する計画だ。同社は合計2000万枚のSIMカードをすでに各省に配布しており、条件が整った省から順次、ネットワークを一般ユーザーに開放する。
中国の通信業界を所管する工業情報化省は3年前の2019年6月6日、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯合通信(チャイナ・ユニコム)の三大通信事業者と同時に、中国広電に5Gサービスの営業許可を与えた。
その後、中国広電は2020年5月に中国移動と5Gネットワークの共同建設で合意。中国広電がライセンスを持つ700MHzの周波数帯を使った5Gネットワークを、両社が共用することになった。
2022年末までに基地局48万基
中国広電の6月6日付の発表によれば、同社(と中国移動)は700MHz帯の5G基地局をすでに20万基設置済みで、2022年末までにさらに28万基を建設する計画だ。
また、中国広電は商用試験サービスの開始にあたって料金プランを発表。高速データ通信と音声通話をセットにした7種のプランがあり、そのうち最も安いプランは40GBの国内データ通信と200分間の国内通話を含んで月額118元(約2382円)に設定した。
これに対し、三大通信事業者の最も安いプランは中国移動が月額128元(約2584円)、中国電信と中国聯合通信が同129元(約2604円)。中国広電はそれらを若干ながら下回る価格を打ち出してきた格好だ。
「三大通信事業者の5G料金プランは、サービスと価格の同質化がますますひどくなっていた。中国広電の新規参入により『価格同盟』の打破が期待される」。通信業界の専門アナリストの付亮氏は、そうコメントした。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は6月27日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら