前回、女性管理職比率のランキング記事を執筆した際に、「『CSR企業総覧』に掲載しているような上場企業などでは、女性役員比率に比べて短期的な改善が難しい女性管理職比率を30%にするという目標は、ハードルとして高すぎると思われる。ここ数年の動きから見ても現時点における現実的な目標は10%程度がいいところだろう。」と述べた。
その観点から今回の女性管理職比率増加ランキングで注目したいのは、12位のヱスビー食品、31位のバイタルケーエスケー・ホールディングス、42位の粧美堂だ。これらは10年前の女性管理職数が0人の会社で、そこから女性管理職数を増やして、10年間後には女性管理職比率を10%以上にしている。これらの会社の取り組みはこれから女性管理職数を増やして比率を伸ばそうと考えている会社とって参考になるはずだ。
ヱスビー食品の独自の取り組みとは
例えば、ヱスビー食品は女性管理職数が16人。女性管理職比率は17.0%で10年間に17.0ポイント増加している。同社の2011年データを見てみると、2010年度の人事制度改定により管理職=役職者として枠組みを見直したとの注記があり、同年の女性管理職数は0人と回答されている。そこから10年間減ることなく、着実に女性管理職数を増やしている。そして、女性管理職比率を2023年までに20%にすることを目標としている。
同社は、保存有給休暇(40日)を介護休業中や家族の看護(7日目以降)に取得できる制度、小学4年生に進級するまで育児短時間勤務制度の適用、ギフト贈呈と特別休暇を付与する「子の1歳誕生日お祝い制度」導入などいった制度のほかにも、事業所内託児施設の運営や育児等による退職者再雇用制度、配偶者転勤による5年以内の休職制度などを、3歳から就学前の子を持つ社員が利用可能といった、仕事と家庭の両立支援制度が整備されている。
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