日本人は「生物多様性」のど真ん中に生きている 茶道の文化から「命のつながり」が見えてくる

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壮大な生命の環が織り成す「生物多様性」

蛍の描かれた茶碗(c)Masako Konishi
遊び心でカエルが描かれた茶碗も!(c)Masako Konishi

これらのすべては私たちが昔から親しんできた生物ですよね。しかしこれらのホタルもカエルも日本中で減少しつつあります。今日の私たちが当たり前に思っている梅雨の季節のカエルやホタルは、子どもたちの世代には身近にあるのでしょうか?

生活文化としての茶道の場は、生物多様性の上になりたっており、茶道は伝統文化の総合。絵画から書道、花、陶芸、漆器、織物から茶室の建築に至るまで、日本に昔からあるさまざまな資源を使って編み出されてきた総合芸術なのです。

そもそも生物多様性とは、地球上の生命、ヒトやトラやパンダ、イネやコムギ、大腸菌、さまざまなバクテリアまで、多様な姿の生物が含まれます。この生きものたちの、命のつながりこそが、「生物多様性」です。これらの生きものはどれも、自分一人、ただ一種だけでは生きていけません。多くの生命はほかのたくさんの生物と直接関わり、初めて生きていくことができるのです。

この関わりをたどっていけば、地球上に生きている生きものたちが、すべて直接的・間接的につながり合い、壮大な生命の環を織り成しています。「生物多様性」は、この地球という1つの環境そのものであり、そこに息づく生命のすべてを意味するのです。

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