日本人は「生物多様性」のど真ん中に生きている 茶道の文化から「命のつながり」が見えてくる
まずはお茶事に欠かせないのが茶花です。茶花とは、茶室の床(とこ)に生ける花のことで、千利休の教えに従って、「花は野にあるように」と自然の中に咲いている本来の姿のように「投げ入れ」ていきます。四季折々の自然の風景や移ろいを表現しつつ、茶会の趣向や茶席の雰囲気との調和も考えて選ばれます。
随所にたっぷり盛り込まれる季節感
その1つとして私がこよなく愛する茶花、「はないかだ」をご紹介します。花が葉っぱの筏の上に乗っているように見えるので、「花筏」と言います。
実際には親指程度の葉の上に、ほんの小さな粒で、よく見ないとわからないような小さな美です。しかしこんな小さな美に気づく心、季節感を心で感じること、こういったスト―リーが私たちの心を震わせるのではないでしょうか?
もちろん床の間にかけられる掛け軸や、お茶碗などのお道具にも季節感がたっぷり盛り込まれています。
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