韓国と徹底比較!日本は世界最大級の「お礼大国」 韓国には「お礼を言う人」が極端に少ない?

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実際に「どこまでやってあげたら、『ありがとう』と言ってくれるか」が気になって、密かに「プチ社会実験」をやってみた。

相手がお礼を言わざるをえないようにたくさんプレゼントし、さらに「あれはどうだったか?」と話を振りまくって、ようやく「軽く短く心がこもってない愛想笑い」とともに「チョワヨ(よかったよ)」と言ってもらったこともある。

ちなみに、その人に復讐すべく、何かやってもらったときに、わざとお礼を言わずに無言の仏頂面を貫いてみたのだが、相手はまったく気にしていない様子なのだ。

「親しき仲」でお礼を言うのは「水くさくて失礼」?

この背景にあるのは、お礼を言う関係は「水くさい他人の関係」ということだ。「お礼を言う必要もないほど親しい関係であること」を示すという礼儀の一環で、お礼を言わないという「一周グルリと回った礼儀感覚」がそこにあるという人もいる。

ただ、この特徴をデフォルメして面白おかしく外国人に吹聴する人がいるが、実際は普通にお礼をする韓国人も多いことを申し添えておこう。あくまで「日本のお礼文化」に比べると違和感が生じることがある、という意味である。

日本人によくある、何かしてもらったらすぐ携帯電話でお礼メッセージを送り、家に着いたら追撃砲で「無事に着きました、あらためてありがとうございます」とメールを送り、翌日念押し兼ダメ押しで「みなさん、ありがとうございました! 引き続きよろしくお願い申し上げます!」とメッセージを送り合う日本式お礼カルチャーに慣れると、「韓国人はお礼が少ない、無礼だ」と思ってしまうことだろう。

「それにしても韓国は、謝罪要求はしつこいのに、感謝はサラリかい……」と、失笑される読者もいらっしゃるかもしれない。これについては、見た目からして全然違う人種なら「別枠」として認識しやすいが、外見が似ているだけに、違和感が生じてしまうということだ。

実際に、外見的にも文化的にも相違点が多い西洋人に対しては「少しの共通点」を見いだして称賛し、逆に共通点が多いアジア人に対しては「少しの違い」を見いだして非難する傾向はよく知られた現象である。

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