「野垂れ死のう」向かった座間市で予想外の顛末 「どんな人も見捨てない」福祉のプロの支援策
人口13万人の座間市――。
高台から街を見下ろせば、似たような家が建ち並び、日暮れとともに灯が点る。最初はまばらに見えた灯りは、時を刻むごとにその数を増し、夜のとばりを美しく照らす。
遠くから見れば、その灯りはどこも穏やかで、温もりに満ちている。だが、実際に路地をさまよえば、雨戸が閉まったまま暗闇に沈んだ家もあり、また別の光景が広がっている。
見慣れたいつもの光景、変わらないいつもの日常──。だが、その内側までは見ることができない。
神奈川県座間市。神奈川県の中央部に位置する、人口13万人ほどの自治体である。相模川に削られた河岸段丘の東岸に開けた街で、市役所の屋上から眺めれば、静かに流れる相模川の水面が遠くに見える。
面積は約18平方キロメートルと神奈川県の中でも小さく、市の中心にある市役所からスクーターに乗れば、隣接する相模原市、海老名市、厚木市、大和市の市境に15分ほどで着いてしまう。
交通の便に恵まれており、市内や近隣を走る小田急線や相鉄本線に乗れば、東京都心や横浜などに出ることも容易だ。それゆえに、戦後の高度経済成長期になると、東京や横浜のベッドタウンとして発展した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら