ネット時代、「新聞」はどう読むのが、効果的なのか 知るべき「3つの大前提」と「読む秘訣」は?

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インターネットが普及しはじめたころ、「ネットはタコツボ化しやすい」とよく言われていた。

新聞を開けば興味のないニュースも目に入ってくるが、ネットだと自分の興味のある情報しか読みにいかない。まるでタコツボにハマったタコのように、ネットユーザーは狭いところしか見なくなると皮肉ったのだ。

このタコツボ論は半分正しくて、半分間違っている。たしかに興味のない情報を読みにいかなくなる問題はある。しかしだからといって、新聞の記事だけを読んでいるとどうなるか。

新聞記事には表面的な記事も多く、専門家が読んだら「えええ?」と首をかしげたくなるようなものが少なくない。だから薄っぺらく、時に間違った知識が入ってしまうことになる危険性があることも、新聞を読むうえでは注意しなければならない。

世の中を知る「入り口」に新聞は有効

つまり、「情報のタコツボ化」を避けるためには、表面的な新聞の情報と、もっと濃くて深いウェブの情報の両方を「いいとこどり」すればいいということになる。

世の中を知る「入り口」に、新聞は向いているのだ。新聞の見出しを斜め読みにして、ざっとチェックしておけば、興味がなくてこぼれ落ちてしまう情報も目に入ってくる

そして世の中でいま起きていることがざっとわかったら、それぞれの出来事についてさらに深く掘り込んでいくためには「別の情報」を探そう。その方法は『読む力 最新スキル大全』でも詳しく解説している。

ぜひみなさんも「新聞の読み方の最新スキル」を身につけて、幅広い分野の情報を集めて「知力」に変えていってほしい

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

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ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)など著書多数。

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