ネット時代、「新聞」はどう読むのが、効果的なのか 知るべき「3つの大前提」と「読む秘訣」は?
まず「知るべき大前提」の1つめは、新聞は「必ずしも公平ではない」ということである。新聞が公平なのは分野だけということを知っておかなければならない。
新聞は知ってのとおり、30ページほどのコンパクトな容量の中に、政治から社会、経済、文化、スポーツにエンタメまであらゆる分野のニュースが詰め込まれていて、広く知見を高められるようにつくられている。
ページをめくっていけば、政治面・経済面・文化面・スポーツ面とあって、それらはたしかにフラットに公平に提供されている。しかし、それぞれのジャンル単体に目を向けると、いまの新聞はとても公平とは言いがたいのだ。
新聞のプロパガンダにだまされてはいけない。新聞がフラットで公平なのは「分野」だけだと考えたほうが賢明である。
「高齢者に忖度する記事」が増えている
ネットが台頭し若者が紙媒体を読まなくなったいま、結果的に新聞の定期購読者はネットが使えない70代・80代の高齢者がメインになっていった。
新聞社も「高齢者が喜ぶ記事」を増やしている印象で、それによってますます若者が離れ、「負のスパイラル」に入っているように思えてならない。
いまの新聞には年金問題や社会保障費増大に関する記事はあまり見かけない。「高齢者に都合の悪い情報」はあまり載らないからだ。
また、新聞のウェブ版は、残念ながらウェブになったからといって、紙の新聞に書かれている内容から大きく変わることはない。ウェブ版は有料課金であることが多く、そこもハードルとなってシェアもされにくい。インターネットの世界での存在感もどんどん弱まっている。
例外は『日本経済新聞』である。高齢者への忖度はなく、現役世代のビジネスマン向けに書かれている。あくまで私の個人的な印象であるが、まっとうな記事が多い。
また、日本の新聞は内政に関してはいい加減な記事が少なくないが、外政はわりとまともでよい記事がある。今回のウクライナ情勢に関して言うと、『朝日新聞』の記事は個人的には結構評価が高い。
ただし、そうした優良な情報は10本中1本、2本あるかないかではある。
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