意思力?「ダイエットに挫折する人」の残念な真実 なぜ人はこれほど「目先の利益」に弱いのか

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二度寝する。ダイエットを中断する。仕事を後回しにする。こういった目先のことを優先させれば、その場ではメリットが得られるが、その後でツケが回ってくる。

優先順位を間違えて「幸せ」が犠牲になる

早起きしてジムで運動することで得られるメリットは、カロリーを多く消費したり筋肉を鍛えたりできることだけではない。ジム通いの習慣化につながるのはもちろん、「困難なことに挑戦する」「自分との約束を守る」といったスキルや習慣も向上できる。

ただし、朝6時に目覚まし時計が鳴ったときに、ジム通いがもたらす長期的なメリットを思い出すのは難しい。「たった1日サボったくらいで大差ないだろう。また明日行けばいいや」と思いながらアラームを止めようとするのが人間のサガだ。

たしかに1日ジムに行かなかったからといって、体力がいきなり衰えたりはしないだろう。だが翌朝もまた、同じように「今日はやめておこう」と誘惑に負けてしまうのである。

「悪影響は遅れて生じ、かつ予測できない」という事実には注意しておくべきだ。人は、この「遅れて生じる、予測できない損失」を軽視してしまいがちだ。

人は「どの目的を優先させるかの選択」を無意識に行っている。大きな失敗をした人が「私は悪くない」と自分に言い聞かせれば、その場では心が救われる。だがそのかわりに「失敗から学ぶ」ことによって得られるはずの将来的なメリットを逃してしまう。その結果、小さなデメリットを避けようとして、大きな幸福を犠牲にするという、じつにもったいないトレードオフをしてしまうことになる。

後で大きなツケが来そうだという場合でも、人は目の前の報酬に強く引かれてしまうことがある。間違った信念にしがみつくことで積み重なるデメリットの大きさと、真実を追求する習慣を持つことで積み重なるメリットの大きさを軽視しているのだ。

その結果、目先の感情や他人からの評価と引き換えに、「真実をくもりのない目で見ること」を犠牲にしてしまっている。

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