意思力?「ダイエットに挫折する人」の残念な真実 なぜ人はこれほど「目先の利益」に弱いのか

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私たちはついつい目に入ったものに思考を奪われてしまいがちです(写真:Eshma/iStock/Getty Images Plus)
ジムの会員になったのに、2、3回行っただけ。ダイエットを始めたのに、爆食してしまった……。3日坊主は「意思が弱い」と思われがちだが、そうではない。全米でベストセラーになった『マッピング思考:人には見えていないことが見えてくる「メタ論理トレーニング」』の著者ジュリア・ガレフによると、ある判断力が欠けていることが原因だ。「短期的なメリット」と「長期的なメリット」というもったいないトレードオフをしているから、せっかく始めたことを続けられないでいるのだ。

先延ばしは「人間の悲しい習性」

私たちの日常的な判断にはさまざまな認知バイアス(思い込みや偏向)が強くかかっていて、真実をフラットに判断することのメリットとデメリットを見誤ってしまうことが多々ある。

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高い会費を払ってせっかく会員になったジムに足を運ぼうとせず、張り切って始めたダイエットにもすぐに挫折し、論文を書くのを締め切り前夜まで先延ばしにする。

追い詰められ、苦境に立たされてはじめて、「あのときこうしておけばよかった」と過去の自分を呪う。「大切だとわかっているはずの目的を軽視してしまう」のは人間の悲しい性である。

私たちが、やらなければならないことをつい先延ばしにしてしまう原因には、「現在バイアス」と呼ばれる認知バイアスが関わっている。「現在バイアス」とは「目先のことに気を取られ、将来のことを気にしなくなる」という、人間の直感的な意思決定に見られる特徴のことだ。

具体例を持ち出すまでもなく、現在バイアスが人間の行動の選択に大きく影響しているのは誰もが知っているはずだ。だが、このバイアスが人間の思考の選択にも大きく影響している事実はあまり知られていない。

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