在宅勤務で「昼から飲酒」48歳男性の行き着いた先 仕事と大量飲酒をする生活は長く続かなかった

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そのほか、減酒している人のインターネットサイト上の掲示板や体験ブログを読むことにも励まされているそうです。

「ほかの人たちが減酒をがんばっている姿に共感できるし、『自分だけじゃない』とパワーをもらえます。人気のユーチューバーがアルコールの危険性を解説している動画を見て、強烈な危機意識が高まりました。アルコールのマイナス面を客観的に認識できるようになったと思います」

減酒を始めてから、哲也さんのお酒に対する意識はまったく変わりました。日本では「お酒の席では無礼講」などと言われることがあります。哲也さんも、「お酒をたくさん飲んで少し羽目をはずしてもいい」と思っていたそうです。

しかし、飲みすぎによる数々のトラブルを経験して罪悪感を抱え、体調不良にも悩まされると、「お酒は毒にもなる。心や体にマイナスの面があることを忘れてはいけない」と考えるようになりました。

料理、お酢ドリンク、筋トレ。お酒以外にも目を向ける

「大切なのは、お酒のプラス面とマイナス面を理解し、マイナス面に偏らないバランスのよい飲み方をすることだと思っています。また、お酒ばかりに集中せず、それ以外に楽しみを見つけることも必要ですね」

哲也さんが今、ハマっている楽しみは料理です。ワインへの造詣が深いことを生かして、それに合った料理を作るようになりました。本格的なフランス料理を自宅で作り、ヴァン・ブランソースを4〜5時間ワインを煮詰めて作るこだわりよう。妻と娘には「おいしい!」と絶賛されました。

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飲み物にもちょっとした工夫をしています。お酒を飲みたくなると、ワインビネガーやりんご酢を炭酸水で割った、特性お酢ドリンクを作るのです。哲也さんの場合、お酢ドリンクを飲むと飲酒欲求が減るといいます。

哲也さんは、5年前から週1回ジムに通っていましたが、コロナ禍を契機にパーソナルトレーニングに切り替えることにしました。一時は80kgもあった体重が67kgになり、スリムで引き締まった体型を維持しています。

アルコールは筋トレ効果を低下させます。哲也さんは、せっかく絞った体がアルコールで元に戻ってしまうのはもったいないと思うようになりました。健康のために始めたジムですが、結果として減酒にもつながっています。

哲也さんは、「減酒をしている今の状態を続けていくことが、自分に合ったお酒との付き合い方だと思います」と話します。料理、お酢ドリンク、筋トレなど多くの楽しみを見つけ、上手にお酒と付き合う日々を送ることが理想です。

倉持 穣 さくらの木クリニック秋葉原・院長

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くらもち じょう / Jo Kuramochi

茨城県水戸市出身。東北大学医学部卒業。東京医科歯科大学医学部精神神経科、東京都立広尾病院神経科、東京都教職員互助会三楽病院精神科、医療法人社団柏水会初石病院を経て、2014年にさくらの木クリニック秋葉原を開院。

厚生労働省精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医・指導医、日本医師会認定産業医、東京医科歯科大学非常勤講師。

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