在宅勤務で「昼から飲酒」48歳男性の行き着いた先 仕事と大量飲酒をする生活は長く続かなかった
仕事と大量飲酒を両立させる生活は、そう長くは続きません。とうとう体が悲鳴を上げ、二日酔いで激しい頭痛と発熱が現われるようになったのです。倦怠感がひどくなり、朝起きられなくなって、仕事を午前中だけ休むことも多くなりました。
お酒が原因とわかってはいるものの、自分の力で飲酒量を減らすことができません。社会生活にまで支障をきたすようになり、「このままではいけない」と思い、インターネットで検索を開始。治療には断酒のイメージしかなかったのですが、「減酒外来」を初めて知り、「これなら通えるかもしれない」とさくらの木クリニック秋葉原を受診することにしたのです。
医師に「1日100g以内」を提案されてホッとした
「最初の診察を受けたとき、先生に『1日にどれくらい飲んでいますか?』と聞かれました。純アルコール量の計算式を教えてもらって、先生と一緒に計算したところ、1日180〜200gというものすごい量になっていました。
すると先生から、『まず、100gにしてみませんか』と提案されて、ホッとしたのを覚えています。いきなりゼロにしろと言われたらキツかったと思いますが、『それならできそう』と思える量だったので、気が楽になったんです」
哲也さんは、次のような減酒マイルールを決めて減酒を進めることにしました。
・飲酒頻度を減らす。飲むのは、イベントや友人からの誘いのときだけ
・飲むときの量は、無理をせず飲みたい分だけ
・減酒アプリを利用し、月1回通院して医師に報告する
受診して以来、純アルコール量を計算するようになり、お酒の飲み方がずいぶん変わったといいます。哲也さんの場合、減酒アプリを自分で分析してみると、100gを超えると翌朝に体調不良になることがわかってきました。そのため、60gを超えないように努力するようになりました。
だいたいの目分量ではなく、数値で計算できるようになると、自分が飲んでいるアルコールの量を客観的に理解しやすくなります。
また、お酒を飲まない日を作ると、翌朝体がとても楽になり気分が爽快になることにも気づきました。とはいえ休肝日が続くと、飲みたくなる衝動にかられて、とことん飲んでしまうこともまだあります。
そんな哲也さんの減酒に対するモチベーションは、いくつかあります。まず思い浮かぶのは、お酒に溺れる父親や妹の姿です。
「父は周囲から、『お酒を飲まなければいい人なのに』とよく言われていました。妹もアルコール依存症で苦しんでいました。私だけは同じような深みに落ちてはいけないという気持ちが、飲酒のストッパーになっていることは間違いありません」
また哲也さんは、通院と減酒アプリにも支えられています。
「月1回の通院では、きちんと減酒ができている報告をしなければという義務感があります。先生にいいところを見せたい気持ちもあり、減酒アプリを毎日つけて、結果を見ながらアドバイスをもらっています」
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